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私は悪者ではない 二酸化炭素の功罪(1)

誰にだって良い面と悪い面がある。二酸化炭素もそうだ。それどころか、私たちの命の源である。

地球上には二酸化炭素濃度が増え続けている(口絵)。大気中の二酸化炭素濃度が増えれば地球が温暖化するのは、地球の歴史が証明している。

下の図を見て欲しい。

光合成曲線

ユーカリの光合成曲線である。二酸化炭素濃度(横軸)が増えると、1秒間に葉面積(m2)あたりのCO2固定量が増加するのだ。700ppmあたりまでなら、光合成速度は飽和することはない。つまり、地球上の二酸化炭素濃度が高まれば、作物の生産性が向上して食糧の増産に繋がり、森林のバイオマス固定量が増えて、水や土の地球環境が改善する。大気循環も安定する。地球は自浄作用を持っているのだ。問題はそれ以上に人類が化石資源・プラスティックス等を消費して、大気中に二酸化炭素を増やさない、バランスが求められているということか。

海洋の存在も大きい。地球上の大部分は海洋が占めている。大気中の二酸化炭素の分圧が高まれば、それに応じて海洋にも二酸化炭素が溶ける。二酸化炭素は水に溶けると炭酸になり、水のpHが低下するが、海洋総体中には多くの重炭酸イオンが存在するため、炭酸⇔重炭酸イオンの間には緩衝(バッファー)作用があるので、急激に海洋が酸性化することはあり得ない。これまた地球の自浄作用に感謝である。

炭酸は我々に恵みも与えてくれる。炭酸浴は人気であるし、何よりビールや炭酸飲料として、我々の日常を楽しませてくれている。このあたりは、続編で。

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