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コナラのオオナラ 「森」と「人」を紡ぐ

「人」は日頃のストレスから解放されてリラックスを求めるために「森」を訪れる。

「森」の醍醐味を知り尽くした人に出会った。岐阜県の世界遺産・白川郷のある白川村生まれ育ちの彼は、「森」と「人」を紡ぐために、我々に大自然の中の大白川の川べりにテントサウナを設け、楢(ナラ)の薪ストーブでもてなしてくれた。楢の薪は重く、火力がある。見る見るうちにテントの中は100℃を超えサウナ状態になる。火照った身体は目の前の霊峰白山の雪解け水から成るエメラルドグリーンの大白川で冷やす。

白山国立公園は、ブナやナラの原生林から成る。目の前のナラはコナラ・オオナラ(ミズナラ)どちらだろう? 葉が少し小ぶりで、鋸歯の切れ込みが浅く、葉柄があるのがコナラ、葉が大きく、鋸歯の切れ込みが深く葉柄が無いのがオオナラだ。実は最近ようやく覚えました・・・(口絵の左がオオナラ、右がコナラ、分布域が重なっている)。長年、樹や森の研究をしていながら、そんなことも知らずに還暦を迎えようとしている。それほど「森」と「人」の距離は遠く、関係は希薄ということか・・・

「森」と「人」を紡ぐのはたやすいことではない。ところが、薪サウナを介して二つの距離はグッと縮まった瞬間を体験した。このような機会がもっとあると、「人」は「森」の大切さに気付くのかもしれない。


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