地球温暖化対策と地域再生の切り札か? 森林資源基盤型産業のリサイクル(4) 木質バイオマス発電
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地球温暖化対策と地域再生の切り札か? 森林資源基盤型産業のリサイクル(4) 木質バイオマス発電

飛騨高山カーボンサイクル

地球温暖化がいよいよ深刻だ。本日イタリアのシチリア島では48℃を記録したそうだ。ヨーロッパ観測史上最高気温である。48℃は尋常ではない。木材の低温乾燥を研究しているが、その温度が48℃スタートだから良く分かる。サウナ風呂では乾球温度が高くても湿球温度が低い(湿度が低い)ので心地よく汗をかけるが、湿球温度が高い(湿度が高い)と10分もいれば、心臓がバクバクして、命の危険を感じる温度である。

温暖化ガスCO2を体内に貯蔵した「木」という再生可能な資源を燃焼させ、発電する木質バイオマス発電が注目されている。固定価格買取制度(FIT)の恩恵を受け、大手製紙会社や商社など、様々な事業体が次から次へと立ち上がり、まるで雨後の筍が如くである。本当に、木質バイオマス発電は地球温暖化の救世主となり得るだろうか?

リサイクルの定義を再掲する。「リサイクル=使ったら資源を元に戻す」である。あるいは「リユース=未利用物を捨てる前に使う」である。はたまた「紙」のように有限な資源であると弁え、「リデュース=無駄遣いはやめましょ」である。いわゆる3Rを基本に、木質バイオマス発電を考えてみる。

我が国の木質バイオマス発電の原材料のうち、海外で未利用となったパーム椰子殻(PKS)を輸入して使われる場合が多いと聞く。未利用材を粉砕し熱で整形したウッドペレットも多いだろう。確かにリユースではある。しかしながら、長距離の海上輸送にはエネルギーが必要でCO2が排出される。また未利用な木質バイオマス資源は広く薄く存在するため、輸送コストとエネルギーがかかる宿命なのである。熱で整形したペレットを使い、燃焼時の発電のみで熱を放散し、「木」に貯留されたCO2をいきなり大気中へ戻してしまうわけである(振り出しに戻るか世紀を越えるか、CO2の旅の長さを決めるのはヒト!?を参照してください)。

ひとたび稼働した木質バイオマス発電を止めるわけにもいかず、間伐ではなく皆伐になってはいないだろうか?植林などのリサイクルが担保されていなければ、単なる資源の収奪で甚だ危険だと考える。

そもそも省エネルギーを推進する以前に、過剰な電力を無理して生み出そうとしてはいまいか?

「木」という資源を発電だけではなく熱利用にも使うコジェネレーション、さらには排出CO2も利用するトリジェネレーション(カーボンサイクルテクノロジー11)が良いと考えられる。

地域再生には、インフラ(電気)が必要だ。中山間地域の未利用材を使って、電気、熱のカスケード利用で農業、CO2施肥でのハウス栽培、環境グリーンツーリズム、地域の雇用創出、このようなマイクロ木質バイオマスのトリジェネレーションのシナリオなら、私は諸手を挙げて賛成したい。

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飛騨高山カーボンサイクル
二酸化炭素が地球を循環している。技術士(森林)、農学博士(木材・森林資源研究、地球環境研究、炭酸水研究、森林資源循環型リサイクル研究、NZ/オーストラリアでのユーカリ植林研究、飛騨高山にて国産広葉樹の木材乾燥研究)。