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リモートワークとマネージメント

wildcardの組織構造

wildcardは2011年頃からギルド型&フルリモート(&副業推奨)に移行してきました。いまや地方在住の人もいれば、インドやベトナムなど海外のプログラマーと仕事をすることもあります。主に使用しているツールは、コミュニケーションのベースはSlackZoom。ホワイトボード代わりにwhimsicalDropBoxPaper、チーム規模や課題が大きくなるとNotionも使ったりします。

性善説と責任ベース

リモートワークのマネージメントは性善説をベースにしないと厳しい。タスクベースのマイクロマネージメントでは、マネージメントコストもマネージメントされる側のコストも膨大に膨れ上がります。では、性善説でどうクオリティ管理をするか?それはタスクベースや時間ベースの管理ではなく、レスポンシビリティー(責任)をベースにした管理です。1日単位の管理は各個人に任せ、1週間単位ぐらいの責任と、そのクオリティのみをチェックしています。逆に言えば責任ベースの管理で回るチーム体制ができてないとリモートワークは厳しいと思います。

返答速度の30分、3時間、24時間

責任ベースとは言え、日々の業務にマイクロコミュニケーションは発生します。顔が見えるところにお互いがいるメリットは、ちょっとした話をサクッとできることです。逆に言えば、ここがリモートワークの最大のペインポイントで全員がストレスを感じるところです。リモートワークだと誰かがボールを握ったまま時間だけが過ぎてしまった…というケースに陥りがちです。そこで、wildcardで決めているのは返答速度のルールです。30分以内に返される内容なら、今やっている作業や外出中でも対応。打ち合わせなどですぐに動けないとしても3時間以内であれば何か返答できるはずです。各種事情で1日動けなかったり、返答に時間がかかる内容でも24時間以内に返答するようにしています。この部分のポイントは1・リモートワークの働き方の自由度を殺さない。2・最低限のルールで最大限の稼働力を生み出す。3・チーム全体でボールが止まらないことを最適化するの3つです。さらにディレクター向けに3分ジャッジという、プッシュ通知が来たらすぐにジャッジできることは即ジャッジして、正しい方向性に導くというルールもあります。

フローとストック

Slackベースでコミュニケーションをしていく問題は、すべてがフローで流れていってしまうことです。さらに、チャットで全てをコミュニケーションするのは時間がかかる。そこでwildcardでは、2,3往復のチャットで完結しないような会話では資料を作ることにしています。事前に配布して、数時間後に各メンバーが資料を目に通したうえでSlackなりZoomで会話をします。図解が必要ならwhimsical。複数人で各種情報をストックしていく叩き台を作るならDropBoxPaperを使います。資料といってもプレゼン資料のようなしっかりしたものをを作る必要はなく、アジェンダと論点、前提事項などが整理されている箇条書きレベルのものがあれば十分です。フローなコミュニケーションの中にフォーカスすべき渦を作る、流れては困るものはストックするダムを作るようなイメージです。

それでも集まる場所は必要

プロジェクト開始時のワークショップだったり、追い込みの合宿だったり。リモートワークをベースにすると、人が集まることの価値も改めて見えてきます。特にワークショップは色々なオンラインツールもあり技術的には実現可能ですが、やっぱり集まってガガッとやったほうがはるかにアウトプットが良い印象です。重めの議論やブレストも集まらないと厳しい。その課題に全員が120%フォーカスする状況が重要な気がします。そしてやっぱり集まることの熱量はモノ作りをしていく上で侮れません。リモートワークを通して、集まることの価値も上がったと感じています。

対面は本当に信頼と効率を生むのか?
wildcardでリモート体制を考えている時に影響を受けた言葉があります。あるロンドンのプロダクションの人と話している時でした。「日本人は対面が信頼を生むと考え、FaceToFaceを重んじるわりに、契約関係がザルだったりするのは何故か?」と。ビジネス上の信頼は契約で行うほうが合理的でフェアだと。彼は更に言いました。「先月アメリカとのプロジェクトで一度も会わずにプロジェクトを終えたし、先日、プログラマーを探していてインドの人に頼んだけど文化の違いでコミュニケーションコストが大きくなってしまい、結局オースラリアのプログラマーに頼んだよ。」とたしかに、「FaceToFaceが信頼を生む」というのは日本という狭い国土で培われた文化のような気がします。そして、インターネット時代に言語的鎖国な中で生きるデメリットと、場所を超えることができるメリット。インターネットってそういうことだよねと感じた出来事でした。

当たり前を見つめ直す

wildcardがリモートワークに移行し始めたのは2011.3.11がきっかけでした。「当たり前の日常」が揺らいだあの日、「見えない恐怖」に対面したあの日。色々な当たり前と、自分達にとって大切なものを考え直すきっかけにもなりました。危機の規模は違いますが、コロナウィルスの影響が国内でも出だした今の状況に少し似ています。対面の価値とは何か?インターネット時代の働き方とは?など当たり前となっている価値を見直す良いきっかけなのかもしれません。私達ももう一度、大事なものはなにかを見つめ直してみたいと思います。そして、311で私達が学んだ「正しく恐れる」ということも、もう一度思い出したいと思っています。


Photo by [Sean Sinclair]() on  Unsplash

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wildcard inc. 代表取締役。 小学生の娘を持つ1児の父。テクノロジー全般、サービスデザイン、我が家で試したSTEM教育などについて書いています。
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