学びとAI - 子供と学校
ChatGPTをはじめとする生成AIが登場し、様々な現場での活用が始まっています。子供の学びの現場でも前向きに活用すべく文部科学省から7月頭に学校向けの「生成AIガイドライン」が公表されました。私も仕事でChatGPTなどを活用した数々のAIプロジェクトに関わっていますが、さまざまなな課題とそれ以上の可能性を感じています。そこで、最先端のAIの現場目線から「学びの未来」の可能性を探ってみました。
ドラえもんのひみつ道具はすでに存在している
このような穴埋め問題があったとしましょう。ChatGPTは2,3問の解答例のパターンを教えてあげれば、全部問題の答えも埋めてしまいます。その機能はドラえもんのひみつ道具コンピューターペンシルさながら。AIはネット上の膨大な情報で学習しているため暗記問題は得意中の得意。どGPT4は米国司法試験で上位10%という結果を出すレベルです。すでに暗記系のテストは人より得意なのです。しかし、AIをコンピューターペンシルのように活用したらのび太がダメダメになってしまいます。のび太をエンパワーする使い方を考えてみましょう。
1.勉強のおとも編
サマライズが得意
まず、何かをまとめるのが得意です。この辺りは使用できる場面も多いのですが、最先端を追求してもっと尖った方向を探ってみることにします。
自分の家庭教師ボットにする
最初に紹介したQ&Aを改良して答えではなく一問一答をだしてくれるチャットボットを作成してみました。
こんなプログラム作るの難しいんじゃないの?と思われたかもしれません。たしかに、このようなチャットボットを作るには、今まではプログラミング能力や開発チームが必要でした。それが次のような日本語の文章だけでプログラムを作れる時代が到来しています。
さらに作ったものをシェアすることもできます。ChatGPTのアカウントをお持ちの方は以下のリンク試してみてください。問題と答えを変えれば他の用途にも使えます。
歴史Q&Aのプロンプト
https://chat.openai.com/share/0d146f1a-76d6-4ea8-ae6a-d62ab41ec7d5
いろんな専門家を呼べる
さらに進化させてみましょう。回答と一緒にその時代の食についてウンチクを語るようにしてみました。追加したのはたったの2行です。
・「あなたは歴史と食の専門家」
・「その時代の食に関する情報も教えてください」
2.知の探求編
好奇心を無限に掘れる
さらに尖った方向を考えてみましょう。先程の四大文明にについての質問の中からミイラについて興味持ったとします。
ミイラの作り方
脱線してミイラの作り方について掘ってみましょう。なかなか詳細な情報が返ってきます。マニアックな問いでも答えが明らかになっていることにはスラスラ答えてくれます。
包帯なんて売ってたの?
そもそも紀元前3000年に包帯をどうやって作ってたのでしょうか?聞いてみましょう。
包帯に呪文が書かれてた!?
説明の中に気になる一文が「包帯に呪文が書かれていた」らしいです。大人の私も知らなかった新事実。さらにWeb検索をして掘ってみましょう。
バッチリ出てきました。メトロポリタン美術館には、ツタンカーメン王のミイラ作りのための包帯の一部が展示されているようです。このように漠然とした質問から、ざっくり検索するのにもAIは向いています。
そしてさらにドンピシャの文字入り包帯画像が見つかりました。これはかっこいい!
どちらも英語のサイトでしたが最近のウェブブラウザには翻訳機能がついているので問題なし。この翻訳領域もAIにより大躍進をとげた分野、AIの力で言語の壁も溶けつつあります。
3.イメージしてみる
ところで「呪文入りのミイラ」ってなんかキャラクターデザイン的にカッコ良さそうじゃないですか?画像生成AIを使ってイメージしてみましょう。
もちろん、これは史実とは違うフィクションのイメージですが、古代の文明に思いをはせるのは楽しい。こういうことをきかっけに未来の考古学者やキャラクターデザインなどのクリエイターが生まれるかもしれません。
大人に求められるのはドラえもん力
最後にガイドラインにも引用されている小学校の学習指導要領における「情報活用能力」とは何か?ChatGPTの力をかりて小学生でも分かる説明にしてみました。
1情報を見つけて、まとめる能力: コンピュータを使って、必要な情報を見つけ出したり、色々な情報をまとめたりする力です。これは、問題を見つけたり、解決するために大切な力で、学ぶこと全ての基礎となります。
2情報を伝える能力: 自分が見つけたり、考えたことを他の人にわかりやすく話す力です。友達と一緒に何かを作るときや、新しいアイデアをみんなに教えるときに必要な力です。
3コンピュータを使う能力とルールを守る能力: コンピュータの使い方を覚えたり、プログラミング(コンピュータに指示を出すこと)の考え方を学んだりする力、そして、コンピュータを使う時のルールや、大切な情報を守る方法を知る力です。さらに、統計(たくさんの数値やデータから重要な情報を見つけ出す方法)についても学ぶことが大切です。これら全ては、コンピュータを上手に、そして安全に使うために必要な力で、これからの学びの基盤となります。
これからの学びの基盤らしいです!AIの発展で「あんなことや、こんなこと」ができる扉はすで開きました。いま我々大人に求められているのは、子どもたちに正しい道具と、楽しい使い方を教え、そして一緒に冒険もするドラえもん力なのかもしれません。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?