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久しぶりに検索してみたら、「K値」界隈がひどい感じになっていて、びっくりした件。
緊急事態宣言での自粛で、経済的なダメージは相当に大きかったものの、とりあえずの感染拡大は抑え込めたにもかかわらず、また感染が拡大しています。
緊急事態宣言が解除される前、ゴールデンウイークの段階で書いた記事で「緊急事態宣言解除後、完全に経済活動を元に戻すと感染者数はどうなるのか?」という記事を書いたのですが、残念ながらほぼこれに近い形で新規感染者のグラフが推移してしまっています。
とはいえ、3か月前と比べると「感染確定者の中での重症化率」は相当に下がってきているようです。
4月~5月頃は、感染者の中で
平気な人8割
入院が必要な人 2割
集中治療が必要になる人重症化率 5%
死亡する人 重症者の25%程度以下
と言われていましたし、SIRモデルもどきの確率推移モデルによる計算でも現実の発表値とかなりフィットしました。
状況が変わり、7月下旬の東京では、1日で確認される数百人の感染確定者のうち、重症者は数人ということですから、重症化率は1%~2%までは下がっていると考えてよさそうです。
「検査体制も拡大し、軽症者も含め、早めに検査で感染確定ができるようになった」のと、「治験も集まり、効果的な治療法も少しずつ確立されてきている」のが要因だろうと思います。コロナウィルス自体が生き残り戦略として、弱毒化の変異をしている、という話もあるようですがその辺はよくわかりません。
「感染確定数」は増えているものの、重症化率の低下により、医療崩壊や死者が多く発生する状態はなさそうなのは、今のところの救いですね。
とは言え、また指数増加的な感染拡大傾向に入りつつあるので、こうなってくると、大体の傾向をみる「簡易指標としては有効」だと考えられる「K値」が、大阪方面では早めに警鐘を鳴らすのに活躍しているのかな、と思って、久しぶりにTwitterで検索してみたら、逆にひどいことになって、びっくりしました。
新型コロナ ”大阪のこの先”専門家は(テレビ大阪) https://t.co/sdLiMCXOTZ
— あべのっち (@abenotti_gold) July 20, 2020
在阪テレビ局のK値への傾倒ぶりは異様。
生命健康に直結する話なのに安易すぎる… pic.twitter.com/hzK0LuZPrt
中野教授のK値予想
— EARLの医学ツイート (@EARL_Med_Tw) July 23, 2020
とりあえずピークと予測されていた120人にあっさり到達しましたけど、ピークアウトするんですかね?というか何か対策は・・・?#大阪に帰れない pic.twitter.com/31mp2it7S2
K値で第3波第4波とか言い出してるようだけど、感染源が次次と現れて連鎖していくのはにマクロに見れば指数であって、流石にいい加減にしてもらいたい。
— みほちゃん (@Mihoko_Nojiri) July 23, 2020
大阪府の感染者増が大変なことに。
— 大阪救民会議 (@osakakyumin) July 23, 2020
大阪の行政による新型コロナウィルス状況楽観論演出の責任は誰が取るのか?
大阪府専門家会議に、阪大のK値・中野、京大・宮沢といった極端な楽観論者をオブザーバーとしてねじ込み、
そういう間違ったメッセージを府民に拡散したのは、吉村洋文の責任なのである。
ここまでしょっちゅう予測を変えられたらもはや予測じゃないと思うというか、増加中はK値は使えないってことをこの人は全く理解してないですよね pic.twitter.com/5preoIY68M
— EARLの医学ツイート (@EARL_Med_Tw) July 17, 2020
そもそもようわからんねんけど、外出自粛とかの対策がないのにどうやったらピークアウトするんやろ?
— 三九郎 (@thankyou_oinari) July 22, 2020
k値って物理法則みたいに初速からどんどんスピードが落ちていく状況に感染者の拡大と収束を重ね合わせて予測してるだけやったとしたら、これほどあてにならんもんはないんちゃう?
よう知らんけど pic.twitter.com/A7DYLeeSLi
物理学者が門外漢の分野に首を突っ込んできて、それに飛びついてしまった吉村知事の珍しい失点です。
— そーじろー (@sojirooooooo) July 17, 2020
感染者数の推移が放物線を描くことを前提に、立ち上がりのスピード次第でピークは変わるという当たり前のことを言っておられて、K値がただの後追い指標であることを自ら明らかにされましたね。
阪大中野教授
— EARLの医学ツイート (@EARL_Med_Tw) July 16, 2020
「集団検査が行われていない神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、兵庫、京都、福岡の8府県について、新規感染者数の推移をK値モデルで計算したところ、7月9日ごろにピークアウトする」
もう1週間経ちましたけど pic.twitter.com/BaAgB8PWFs
K値による予測がおかしいと気づけないレベルの人には、政策に関わって欲しくない。
— 勝川 俊雄 (@katukawa) July 17, 2020
K値の「中身」についての批判はこれで十分だと思います。予測能力がないのにあるかのごとく喧伝し、しかも外れるごとに始点をリセットするという暴挙で予測可能のように振る舞う、これでは怪しげな投資ブロガーと大差ないです。 https://t.co/pgI8JpITQP
— クリエネ(感染対策は検査、追跡、隔離) (@morecleanenergy) July 22, 2020
K値宮沢教授、意味不明なことを言い出す「今は第三波と第四波が2つ重なった状態。波が重なって顕在化が遅れた」 [373226912] https://t.co/mfI0iVoeHp
— 朴本 博 (@tel0335087172) July 17, 2020
このスレでこの画像はいいセンス pic.twitter.com/WduiR1IIww
累積値を使う指標で、要素としても「1週間前の累積値」と「現在の累積値」程度の数値なので、本格的なピーク予測などには使えないまでも、簡易的に傾向をとらえるには使えるかな、と思っていました。
しかし、これを押している方々は、この指標でピーク予測まで行って、予測が外れると、累積の始点をリセットして、「新たな予測」と称して、自分の導きたい結論に誘導したりしている、ということでしょうか?それじゃ、意味がないですよね。
以前、「コロナウィルス感染者の増減傾向を「K値」が的確にとらえている理由を自分なりに考えてみた件」という、完全肯定もしないけど、それなりに好意的に評価する記事を書いてしまった手前、まさかこんな状況になっているとは露もおもいませんでした。この記事は撤回せざるを得ないですね・・・
そのために、一か月以上ぶりに記事を上げましたよ。
難波の大学教授といえば、白い巨塔の財前五郎教授を思い浮かべる程度の野良の人間ですので、特に関西の大学の「何とかセンター長」みたいな方々というのは、政治家とおもって話を聞くようにしようと思います。
追記:
私の分析では、K値とは、SIRモデルの再生産数だけを要素として算出される数値で、それを分析するぐらいならSIRモデル分析したほうが良いと思います。
コロナでろくに仕事もできないので、暇つぶしに数理モデルで今回のコロナウィルスの動向を分析しています。