見出し画像

すい臓癌の告知~①

検査入院2日目。


入院2日目。

最悪です。
AM5:30頃に……目覚めてしまった…。

“起きてるかなぁ、”
と思い妻にLINEでメッセージを送りましたが、既読付かず。

まぁそうだよね。


頑張って二度寝しようとしました。

寝れず…。

落ち着こうと、少しお水を口に含みました。
検査がありましたが、口に含む程度なら水は飲んでも大丈夫でした。

今日も朝から絶食。
(食欲など、元々なかったので良かったのですが)




8:00頃
主治医の先生が私のベッドへ来られました。

少しかがみこんで

先生 『○○さん、昨日の内視鏡で腫瘍の細胞は取れました。今日の検査は無しにしましょうね。昨日の胃カメラも苦しかったでしょ? 今日はもう止めておきましょう。』

私 「はい。(この日の検査がずっと憂鬱だった為、かなり安堵する私。)」

先生 『結果がちょっとダメな方で出てます。』

私 「えっ…? えっ!!!」

もう死刑宣告を受けた感じでした。

私「が…癌ですか?」

先生はきっぱりと
『はい。』


すい臓癌の事はネット・SNSで
散々調べていました。



全身から汗が吹き出して、
心臓もバクバクしています。
頭の中は完全に放心状態。
呼吸も上手く出来ず息苦しくなります。


私 「そんな…小さい子供もいるんです!!」


先生 『これからの治療方針をお話ししましょう。奥様を呼べますか?予定通り14時に奥様もご一緒にお話しできませんか?』

私 「もしこのまま、治療しなかったらあと何年生きられますか?」

先生 『う~ん…。 1年程度かと。』

私 「癌の大きさはどれくらいですか…?」

先生 『2~3cmです。』

私 「ステージ…っていうんでしたっけ。どれくらいですか?」

先生 『2~3です。』

(インターネットで調べた数字がぐるぐる頭を回ります。)


「じゃあもう治療しても無理じゃないですか!!!!
ネットで見たら膵臓癌のステージ3は2~3%しか助からないって書いてました!!!!!!」



先生『無理じゃない!!!!』



大部屋の病室で、はっきりとしっかり怒鳴られました…。


先生 『○○さん、ネットで見られる数字にはまったく意味がないんですよ。

5年生存率とか根治する確率など、
もう一度はっきり言いますが
“まったく”
関係ありません。

その数字は老若男女全て含まれた数字です。

元々糖尿病をお持ちの方には出来ない治療方法もあるし、コレステロールが高い人・肝臓の数値等が高い人には出来ない治療方法があります。そういった方々の数値も入っています。


そして言ったら申し訳ありませんが、ご高齢の癌患者さんもその数値に入っています。



人それぞれで、
"癌は全て違う顔"
をしているんです。

悪い顔をしている癌もあれば、優しい顔をした癌もいるんです。』


私 「分かりました。妻を呼びます。出来れば妻が到着したらすぐにお話しできませんか?」
(今思えばとんでもなくワガママなお願いでした。)


先生 『はい大丈夫です。到着したら私を呼んで下さい。』



どうしよう…
どうしよう…

夢か?
夢だよね?

こんな夢昔何度か見たことあるぞ。
夢だよ。
うん。絶対。

夢に違いない。
まだ38歳ですよ私は…
小さい子供も2人います。下は3歳です!!!

中古ですが、マイホームも2年前に買ったところなんです!!!

それに膵臓癌は50歳~60歳に多いとインターネットに書いてあったじゃないか!!!!

なんで…どうして…


主治医の先生が病室から出て行ったあと後、スマホを持って後を追うように病室から飛び出していました。

「今、先生が来て、… 癌だった。すぐに病院へ来て欲しい…先生からの説明を一緒に聞いて欲しいんだ…」


気付けば妻に電話を掛け、また泣いていました。


昨日までは…
“癌だろうな、多分”
“癌じゃなかったらどんなに嬉しいだろう”
“癌じゃなかったら妻をどれだけ安心させて上げられるだろう”と考える余地がありましたが

もうそんな一縷の望みも無くなりました。


【私は38歳ですい臓癌の患者になりました】

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?