実話怪談　キャンプ場に現れる赤ちゃん　　を抱いた女

僕の本業はマッサージ屋さんです。施術中お客様と色々なお話をします。その中で、たまに怖い体験談を話すお客様がいます。
その時に聞いた不思議な体験談をお話します。

そのお客様は50代後半の男性のお客様です。
このお話は、このお客様が、まだ小学校低学年の頃に体験したお話です。

このお客様の家では、毎年、山奥でキャンプをする。しかも子供だけで夜を越すという風習があったそうです。この日も幼稚園に通う弟と同学年の従兄弟の３人で夜を過ごしていたそうです。
（親は晩御飯がすむとテントを張っている別の場所。歩いて３０くらいのところに戻る。朝になるとまたやってくる。）だったそうです。

親たちが自分のテントに戻ったあと、子供達だけで散歩しようとなったそうで、近くにある川を見に行こうと懐中電灯を片手に歩いていると、河原に赤ちゃんを抱いた赤いワンピースを着た女の人が立っていたそうです。

「あんなところに赤ちゃん抱っこした女の人が立ってるで」
と従兄弟と弟に向かって話しかけると、
２人して
「えっ？」
「どこにいてるん？」
「そんな人居てないやんか」
と答えます。
「あそこに立ってるやんか」
と言い、その方向に指をさします。
「どこ？」
「やっぱり居てへんやん」
どうやら自分にしか見えない様子。

次の日、父親にこの話をすると、
「ここら辺には自分たち家族以外キャンプしてる人は居てないよ」
とのこと。
じゃあ、「見間違えたんかな」と、あまり気にしないようにしました。

そして、その日の夜も、親達がテントに戻ったあと、子供達だけで散歩に行くことにしました。
昨夜と同じように川を見に行くことになり歩いていると、また昨夜の赤ちゃんを抱いた赤いワンピースの女の人が立っていました。
「やっぱり見間違いじゃなかったんだ」
と従兄弟と弟に
「あそこに女の人が立っている」
と指をさしました。
すると、やっぱり
「どこに？」
「誰も居てないやん」
という答えが返ってきます。
「やっぱり自分にしか見えないんだ」
と確信しました。

そして次の日も、親たちがテントに戻ったあとに、川まで散歩しました。
すると、そこに女の人の姿はありませんでした。

そして翌日、この日はキャンプ最終日で家に帰りました。

そして次の日、父親が驚いた顔で
「お前が見た女の人ってどんな人だった？」
と聞いてきました。
そして、
「赤いワンピースを着て赤ちゃんを抱っこしていた」
と答えると。
父親は更に驚いた顔で
「その人は昨日キャンプをしていた山の中で遺体で発見された」
と伝えられました。

殺人事件だったそうです。
何かのトラブルに巻き込まれ親子とも殺されてしまい山中に埋められていたとのことでした。

「死んだ後に彷徨っている姿を自分は目撃したんだ」と理解し背筋がゾクっとしたのを覚えていると語っていただきました。

殺人事件なんて絶対にあってはいけないことですよね。

そんな、ちょっと怖いお話でした。