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苦手な場所はスーパーの食品売り場

実は、私が食品売り場に行く際、マイバッグの他に「サングラス」と「耳栓」が必須アイテムとなっています。なかなかこのことを周囲にはわかってもらえません。

子供の頃も、苦手な場所といえば真っ先に思いつくのがスーパーの食品売り場でした。その当時はなぜかはわかりませんが、売り場に来てから数分経つと頭がクラクラしてきて、呼吸がしづらいような感覚に陥りました。それで、一緒に来ている親に「具合悪い、入り口で待ってる」と告げて、外にある出入り口付近のベンチで座って待っていたものです。屋外に出れば、気分は少しづつ良くなり、帰る頃には元気になっているというのがほとんどでした。

その当時、父に「まだ背が小さいから、大人がたくさんいるところに来ると、上からの圧迫感で息苦しくなるのかもしれないね。」と、言われていたので、大人になったら治るものだと信じていました。

小学校高学年になって、母親の背も追い越してきた頃、気づいたら食品売り場に行ってもさほど具合が悪くならなくなりました。ああ、やっぱり父の言っていた通りだったのかな。身長は中学生になる頃には160センチを越え、周囲の大人と変わらない体格となった後の10年弱くらいは特に食品売り場で困ることもなく、当時は首都圏に住んでいたのですが、その後の高校への電車通学(当然満員電車)も問題なく過ごせていたと思います。

ただ、20歳を過ぎて大学に在学中の頃、またもや食品売り場の恐怖が再来することになります。その頃私は札幌のアパートで一人暮らしをしていたのですが、何がきっかけだったかは定かではないものの、スーパーに行ったら急に頭痛がひどくなり、買い物はそこそこに帰宅。頭の痛さが全く取れず、横になっていたら気持ち悪さが増してしまい、嘔吐してしまいました。発熱や咳などの風邪の症状もなく、念のため脳神経外科を受診してみるも異常は無し。とりあえず肩こりがひどいから、ストレッチを頻繁に行ってくださいと言われただけでした。それからというもの、「頭痛→吐き気or吐く」のパターンができてしまい、人混みに行った後の頭痛は、私の体調の大きな悩みの種の1つとなって、今に至ります。

また、自分がHSPだと気づいたのもこのあたりだったと記憶しています。(精神的な不調も抱えており、インターネットで「感受性が強すぎる」とか「敏感すぎる」とかと検索していた時にHSPという言葉と出会いました。この話はまた今度。)

さらに社会人になってから、(LEDの普及などの事情もあるかもしれませんが)自分は食品売り場の「光」や「音」から頭痛を引き起こしているように感じ始めました。というより、27歳頃から「眩しすぎる」「煩さすぎる」と思うレベルが下がってきたような気がします。理由はわかりません。精神的な不調も抱えていましたし、HSPだという自覚も「自分の敏感さ」がさらに敏感になるように心理的に仕向けられいたかもしれません。

とにかくスーパーに行くと
・光:天井の照明はもちろん、冷蔵/冷凍ショーケースの照明、ガラスから差し込む日光
・音:店内アナウンス、他のお客さんの話し声、レジの音、BGM
・加えてあらゆる食品のにおい
上記の刺激が全部まとめて入ってきてしまうような感覚に陥ります。(食品売り場に限らず、大きめのショッピングモールなどでも同じです。)

そういうわけで、30歳になった現在、食品売り場に行く際は、上記の刺激を和げるため「サングラス」と「耳栓」が必須アイテムとなっています。ただ、いつもこの2つがなければ食品売り場に行けないということでもありません。調子の良い日はなくても大丈夫なのです。しかし本当に調子が悪いと、光も音も脳味噌の中で激しく化学反応を起こしているような感覚になるということのようです。(しかも今はコロナでマスクも必須アイテムですから、これでマスクをつけると見た目上は不審者以外の何者でもありません笑)できれば食品売り場に行くことなく、人生を過ごせたらと思いますが、現在住んでいる人口最少県の鳥取県ですら、かつてのような商店街スタイルで食料や日用品を入手するのは到底難しく、ある意味「避けては通れない場所」となっています。

近年、発達障害や知覚過敏が徐々に知られるようになってきたので、「きっと自分と同じような感覚を持つ人もいるだろう」と思えるようになりました。実は自分の家族や知人の中には、「こういった感覚があるのでやっぱり食品売り場苦手だ」という人がいないのです。まだ出会ったことがありません。それで、つい数年前までは誰にも理解されないという辛さがありました。幸いにして、夫はそういう感覚は無いにしても私の食品売り場が辛い事情を理解し、必要な手助けをしてくれますので、本当に感謝しかありません。

わかってもらえる人を大切にする。これが今の私には絶対に必要な、然るべき態度だと思っています。


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