学びを最大化するTTPS(徹底的にパクって進化させる)マネジメント

読了:学びを最大化するTTPS(徹底的にパクって進化させる)マネジメント
中尾隆一郎(著),鈴木利和(著),肱岡優美子(著)

【概要】
なぜリクルートのスーモカウンター事業は急成長できたのか
「徹底的にパクって、進化させる」
この頭文字をとって造られた「TTPS(ティーティーピーエス)」は、
本書の著者の一人である中尾隆一郎がリクルートで
スーモカウンターの責任者をしていた時期に、
仲間と一緒に試行錯誤しながら事業を成長させていく際に
考えついた言葉であり、実践していた方法論です。

当時のスーモカウンターは、6年間で
売上30倍、店舗数12倍、従業員数5倍という成果を残しました。
この急成長は、中尾が責任者の役割を離れた後の6年間で
さらに3倍以上の売上成長を実現したことからも分かるとおり、
特定の個人やチームに依存するノウハウではなく、組織に定着できる方法論です。

特定のデキる個人やチームが成果を出して、
組織を大きくする事例はいくらでもあります。
スーモカウンターが優れていたのは、
全国にあるスーモカウンターの従業員や店舗から、
高い業績をあげている個人やチーム(ハイパフォーマー)のノウハウや
最高にうまくいった成功事例(ベストプラクティス)を共有して、
それを組織全体で、全従業員がTTPしていったところにあります。
その結果、スーモカウンターは凄まじいスピードで成長することができました。

本書では、TTPSの全体像や実行のポイント、事例、応用の仕方などについてまとめています。
このTTPSという方法を学ぶことを通じて、自律自転する人や組織をつくることができます。

【読了】
一つ前に読んだ「G-POPマネジメント」と同じ中尾さんが書かれた本です。
一冊読んだだけだとあまり頭に入らず理解も浅かったので、同じ作者の同じ系列の本だとバックグランドも読み取れて理解が深まるかなと思って手に取りました。

「TTP(徹底的にパクる)」はよく聞く単語ですが、「TTPS(徹底的にパクって進化させる)」はG-POPと同じく中尾さんの造語のようです。オリジナルの言葉を生み出せる人はすごいな。
学ぶということは「真似ぶ」から来ていますが、TTPSのS(進化させる)は「守破離」でいう「破」にあたる部分だと解説があり、非常に腹落ち感がありました。
また、TTPについても、他社/他者をパクることはよくありますが、重要ポイントである「TT(徹底的に)」の部分が今まで意識が薄かったことにも気付きました。

■TTPSの大事なポイントの3つのポイント
1,対象とするハイパフォーマーの特定
⇒一般の人でも真似できる天才過ぎないパフォーマー

2,制約条件理論
⇒一番弱いところから補強していく

3,G-POP理論を取り入れる

■質の良い読書体験のための仮説
本書を読んでいて、内容もスムーズに頭に入ってくるし、自分や自分のチームに当てはめると「こういうことが言える」、「こういうことができるのでは」ということがどんどんでてくる時間でした。
読書をしていても、いつの間にか字面だけ追っていて内容が頭に入らず少し戻って読み直すみたいなことがよくあるのですが、それとは全く逆の現象でした。
再現性の必要条件どれなのか、検証してみたいと思います。

・同じ作者の本を短期間(1週間以内)に読んだ。
・睡眠十分で健康状態も良かった
・満腹でない
・ウォーキング(読めるメモれる程度の速さ)しながら
・時間帯は朝一
・濃いめのコーヒーを一杯飲んだ
・本の内容自体/相性が良かっただけ?

■読書メモ
・砂場の山理論:高い山を作るのには裾野を広げる必要がある。
⇒つまり良いアイデアが生まれるには、いろいろなアイデアをたくさん出す必要がある。
「量が質を担保する」

・プレゼンをするときにTTPしたいポイント
⇒「TCMEの整合性」
Contents(コンテンツ:プレゼンする内容)、Media(メディア:プレゼンする方法)、Expression(プレゼンの表現内容)の4つの単語の頭文字。
語呂合わせでTake Care of ME

・TTPによくある失敗
「パクりやすいところをパクる」「解釈をして選択をしてパクる」

この記事が参加している募集

#読書感想文

191,135件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?