はりぼてのしあわせ
子供の父親とは初対面から合うところが多かった。何回かデートをして、お互いの親にも会って、私は専業主婦という属性になった。
母親も付録でついてきて、近場でパート先を見つけて働きに出たり、最初は良かった。
お互いの親の過干渉が原因で、私の中の沈めておいたものが出てきてしまった。
子供には絶対同じ思いをさせたくないのに、過干渉親に育てられたからなのか、今日は寒いから、暑いから、と夫に言われ家に閉じ込められる感覚。
謎の家族イベントが多く、隅から隅まで覗かれてるような気持ちになる。
母親も義母も子離れ出来ない厄介な女で、気付いたらまた精神科医のお世話になっていた。
ほんの7年しか持たなかった。
きっかけは義母だけど、夫も義母を捨てられず、私も母親を捨てられなかった。
元夫、とは言いながらも今でも良き理解者で、子供のことをいちばんに考えてくれる。そこだけは本当に有難いし、後悔はない。
ただ、ハリボテだった。私が。
良き妻で良き母で、良き娘で良き嫁であろうとした私のせい。
今後、子供が元夫と暮らすようになったとしても、元夫は私のことを子供に悪く言わないと思う。
そういう人だから結婚できたし、子供も産めた。
有難いと同じくらい申し訳ない。
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