客の質

90年代のキャバクラは客の種類も色々いて、私は店選びを間違えた。

というかキャバクラは本当に向いていなかった。まず、媚びを売れない。

腋臭ですか?みたいな店の服を借りて着たのは良かったけれど、周りの人達の男に酒をねだる、が当時は謎だった。

それでも習うより慣れろ、で客がつき始めた頃、同時進行で昼間やってた売春で太客と呼ばれるものができた。

夜の店にも来てくれるし、同伴も新着デーもドレスデーもその人が同伴で買ってくれたものを着る。

自然に客の質が上がった。ヘルプで着いていた席が指名に変わった。

答えは単純だった。太客によって変えられた見た目、プロのヘアメイクに習った化粧。そして、年齢。

18歳は言ってもいいけど、とマネージャーに言われていたのに、18歳なの?と聞かれて、辞めてなければ高3だよと言うと指名が増えた。

媚びない接客も18歳じゃ仕方ないと許され、教えてあげたいおじさんが増えた。

それでも、このつまらない時間でコレしか稼げないんだよなぁ早く売春しに行かなきゃ、と毎日思っていた。出勤しないと寮にいられない、寮がなくなるのはまずい。

値踏みしてから客と寝ることにした。今でいうガチ恋客。

やりたいことはわかっている。

〇〇さん、制服見たい?

それだけ言えば確定だった。

同伴でしかモノを食べないので身体はキープされていたし、未成年だからと酒も飲まず、寮まで歩いて帰っていたので脱いでも問題ない。

そして18歳、制服、でも合法だから大丈夫!!とハマる客を何人か作って支配する側になった。

クズとの同棲で学んだ、相手を精神的に支配する方法。
当時はそう思っていた。本当は、ずっと前から知っていた。

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