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ノーマスク運動とか言うものにメリットはあるのか。

はじめに 

 今日、山手線にノーマスクで乗車して一周した集団がSNSにその活動を報告し、話題になっていた。驚愕し、なんと危険な行動をとるのか。世間の迷惑だ。感染が広がったらどうするんだ。なんてことを最初は思った。

 炎上しているSNSで何を焦点に議論されているのか、少しだけ見てみた。マスクに感染予防効果があるのか、そもそもコロナにおびえる必要があるのか、感染しているが無症状の人間から感染することがないのか、なんてことがSNSで議論されているのが散見された。

 しかし、おれが疑問に思ったのは「マスクをすることが普通になっているこの世の中で、どうしてもマスクをしたくない理由があるのか」という点だ。そもそも、ノーマスク運動なるものをしてまでマスクを外すことにメリットがあるのか。できるだけ真剣に、考えてみたいと思う。それを考えた上でも恐らくおれがノーマスク運動に参画することはない。しかし、頭ごなしに否定するのではなく、逆の立場になって考えてみようと思った。

1.マスクを買うために金を使わずに済む

 真っ先に浮かんだのはこの点だ。Amazonで調べてみると50枚入りの使い捨てマスクが1,580円で販売されていた。

 この価格からマスクを買うのにかかる金額を計算してみる。1か月を30日として、一人の人間がマスクを1日1枚使うと仮定すると、月に1人当たり948円の出費となる。これは東京都内の最低賃金(1013円)を下回っているので、都内のどこかで1時間働けば一人分の1ヶ月分のマスクには困らない計算になる。もちろん家族が多いと出費は増える。4人家族ともなれば約4,000円の出費になるので、4時間分の時給の余裕もないという家庭なのだとしたら、確かにノーマスク運動をする理由にはなるだろうし、1人当たり約1,000円を、他のことに使えるという意味では、確かにメリットと言えるかもしれない。

2.熱中症になる危険性を減らせる

 考える限りではこの点に関しての反論は思いつかなかった。確かに日本の暑さの中でマスクをしたまま働き続けることは、明らかに危険だ。特に野外に出て働く必要がある人々にとっては命に関わる。例え室内で働く職業でも、マスクをしていることで体温調節がうまくできず、熱中症になる危険性が高まると思われる。

 ただ、マスクをしないことにより感染が拡大する危険性と、熱中症の危険性どちらが高いのかについては、議論の余地があると思われる。しかし、この議論の結果前者の危険性の方が高いとしても、「マスクをすることで熱中症になる危険性が高まる」という主張自体が誤りではない。すなわち、こうしたメリットがあることは明らかで否定しようが無いのだ。

3.マスクを外した方が快適に過ごせる

 これに関しては議論する気があまり起きない。マスクをしていることをどれだけ不快に感じるかは明らかに個人差があるからだ。あまり気にならない人も居るだろうし、不快過ぎて常に多大なストレスを感じる人も居るだろう。この不快感が大きい人ほど、メリットが大きくなるのは間違いなさそうだ。

4.マスクを外した方が会話をしやすい

 これも反論の余地がないと思われる。マスクをしている分、空気の振動は伝わりにくくなり、口も大きく動かしにくくなるので、声が伝わりにくいのは事実だ。

 これについて一番困っているのはろう者の方々だとおれは思っている。彼ら彼女らは、手話を使って会話をする。しかし、手話だけでは理解がおいつかないこともあるので、通常の手話を使った会話では口の動きを見ること(口話というらしい)も重要なコミュニケーションになるとのことだ。マスクで口が隠れていては、これが見えない。ましてや手話を使えない人とコミュニケーションをとることなど、絶望的になってしまう。筆談を行うにも、複数の人が同じペンなどを使うことは問題だろう。

 こうして考えると、マスクをしていることでコミュニケーションに困っている人は少なくはないことが分かる。

おわりに

 私が思いつく限りのメリットを挙げてみたが、他にもあるのかもしれない。ノーマスク運動なる運動が実際に行われているのだから。

 しかしこのメリットを考えてみても、おれはノーマスク運動に参加する気にはならなかったのは、おかしいことなのだろうか。

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