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#HSP な自分だからこそ思うこと。特徴・生きづらさ・希望について

こんにちは。
繊細な気質を持つ方向けのライトなカウンセリングサービス
『ぐるり相談室』を運営している、合同会社ぐるりの代表、ゆうやです。

僕は、今までの人生の中で自分の繊細さからくる心の揺れ動きや浮き沈みに苦しみ、ときには自分の内面に疑問をいただきながら生きていたこともありました。

そんな中でHSPという気質があることを知り、救われました。
僕と同じようにHSPを抱える方が、HSPという気質を活かしながら
心を軽く、肩の力を抜いてゆっくり深呼吸できるような場所を作りたいなと思い、HSPラボというメディアを始めることにしました。


1. HSPは気質

改めて、HSPとは
Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略で
脳の中の感情を司る部位が活発な人を指します。
刺激に敏感だったり、人の感情などへの感度が高いと言われています。

HSPは病気ではなく、個人が生まれつき持っている性質です。
人口の15〜20%がこの気質を持っていると言われています。
よく「治せない」と言われますが、治す、治せないよりも、付き合い方や
活かし方を理解していって、自分なりの生きやすいあり方を見つける方が大切です。無くなる、治る、ではなく、「形を変えることができる」のがHSPだと、僕は思っています。


2. HSPの特徴について

最近、ニュースや記事などでHSPのことが取り上げられることが増えてきました。「自分はHSPかも?」と感じる方も増えてきている今、改めてHSPの特徴について整理してみます。


具体的な特徴としては、以下のようなものがあると言われています。

▶︎情報を深く処理したり、深い思考ができる

⚪︎何を調べる時、非常に細かく詳しく調べることができる
⚪︎1を聞くとそこから10のことを想像したり、理解したりすることができる
⚪︎他人の嘘やお世辞をすぐに見抜く
⚪︎想像力が豊かで、想像を含ませやすく、気付いたら時間が経っている

▶︎共感力が高く、人の感情を受け取りやすい

⚪︎他人が怒られていると、自分が怒られているように感じる
⚪︎感情移入をしやすく、映画や小説などで涙を流すことを多い
⚪︎人の仕草や雰囲気、表情などから、その人の感情を敏感に察知する
⚪︎人から相談をされると、親身に深く関わり、寄り添う

▶︎刺激を受け取りやすく、疲れやすい

⚪︎大人数で話したあと、帰宅するとどっと疲れている
⚪︎強い光や音が苦手
⚪︎語気や語調の強い人と話すと圧倒されてしまう
⚪︎何気ない人の一声がいつまでも心の中に残っている

▶︎五感を含む、様々な感覚が鋭い

⚪︎絵画や詩など、曖昧で抽象的なものをゆっくりと味わい、楽しむ事ができる
⚪︎冷蔵庫の音や時計の針の音が気になって眠れない
⚪︎タイピング音が強い人がいると気になって集中できなくなる
⚪︎驚くことへの感度が高く、すぐにびっくりしたり、またその感情を表現できる

HSPにも、度合いの強さやグラデーションがあると思います。
まだ見つかっていない特徴もあるかもしれません。
この中で少しでも当てはまる場合は、HSPなのかな?と考えるきっかけにしたり、あるいはHSPだと気づくことで少し楽になる、そんな風になる方もいます。
一方で、HSPだと気づくことで逆に新しい辛さが生まれてしまうこともありえます。そういった感覚にも寄り添えるよう、文を紡いでいきます。


3. HSP簡易診断チェック

特徴を読んで、自分自身にHSPの気質があるかも?と感じた方は
以下の簡易的な診断を行ってみてください。
こちらは、HSPの提唱者、エイレン・アーロン 教授が作成した診断チェックです。
もちろん、この診断の結果、確実にHSPです/HSPではありません、と言えるものではないのですが、目安としてチェックしてみてください。

⚪︎ 感覚に強い刺激を受けると容易に圧倒されてしまう
⚪︎ 自分をとりまく環境の微妙な変化によく気づくほうだ
⚪︎ 他人の気分に左右される
⚪︎ 痛みにとても敏感である
⚪︎ 忙しい日々が続くと、ベッドや暗い部屋などプライバシーが得られ、刺激から逃れられる場所にひきこもりたくなる
⚪︎ カフェインに敏感に反応する
⚪︎ 明るい光や強い匂い、ざらざらした布地、サイレンの音などに圧倒されやすい
⚪︎ 豊かな想像力を持ち、空想に耽(ふけ)りやすい
⚪︎ 騒音に悩まされやすい
⚪︎ 美術や音楽に深く心動かされる
⚪︎ 時々神経が擦り切れたように感じ、一人になりたくなる
⚪︎ とても良心的(誠実で倫理観が強い)である
⚪︎ すぐにびっくりする(仰天する)
⚪︎ 短期間にたくさんのことをしなければならない時、混乱してしまう
⚪︎ 人が何かで不快な思いをしているとき、どうすれば快適になるかすぐに気づく
(たとえば電灯の明るさを調節する、席を替えるなど)
⚪︎ 一度にたくさんのことを頼まれるがイヤだ
⚪︎ ミスをしたり、物を忘れたりしないようにいつも気をつける
⚪︎ 暴力的な映画やテレビ番組は見ないようにしている
⚪︎ あまりにもたくさんのことが自分のまわりで起こっていると、不快になり、神経が高ぶる
⚪︎ 空腹になると、集中できないとか気分が悪くなるといった強い反応が起こる
⚪︎ 生活に変化があると混乱する
⚪︎ デリケートな香りや味、音、音楽などを好む
⚪︎ 同時に自分の中でたくさんのことが進行すると気分が重くなる
⚪︎ 動揺するような状況を避けることを、普段の生活で最優先している
⚪︎ 大きな音や雑然とした状況など強い刺激に悩まされる
⚪︎ 仕事をする時、競争させられたり、観察されていると、緊張し、いつもの実力を発揮できなくなる
⚪︎ 子供のころ、親や教師は自分のことを「敏感だ」 とか 「内気だ」 と思っていた

引用:『The Highly Sensitive Person Are You Highly Sensitive?』http://hspjk.life.coocan.jp/selftest-hsp.html

エイレン・アーロン 教授によれば、このうち14個以上に「はい」と答えた方は、HSPの可能性が高いそうです。
また、2つや3つ程度しか「はい」と答えていなくても、それらが極端に強く現れている場合は、HSPである可能性があるみたいです。

全ての心理テストが結果を正確に診断できるわけではないと、アーロン教授自身も言っていますし、新たな診断方法や新たな特徴が研究によって明らかになるかもしれません。まずは自分を知るきっかけとして診断も活用していただけたらと思います。

4. HSPの生きづらさについて思うこと

HSPが生きづらいのは、社会の理解が追いついていなかったり、仕組みが固まっていないからだと思っています。
視力が低い人が、眼鏡がなかったり、席を前の方にしてくれるみたいな配慮がなかったら今よりもっと生きづらいと思います。

また、社会やその中で生きる人々自身も、生まれついて繊細な人がおり、それを想像した上でコミュニケーションをとる、という習慣がまだ身についていないように思います。

社会は僕らが感じるよりもずっと鈍感です。入力フォームで、性別の項目に男か女かだけしか存在しないようなこともまだまだあります。
でも、この状況を変える息吹は生まれていると思います。

性差別でいうなら、MeToo運動かもしれません。
HSPも、最近は地上波でも取り上げられるようになってきました。
知識として浸透するだけでも、きっと現実は動いていきます。

もちろん、HSPというワードが広がることで「ファッションHSPがムカつく」であったり、「HSPを商業化させないで」なんて声もあります。
そう感じるのはその通りだと思います。
これについては、僕たちが感じていることをまたの機会に書きます。

とにかく、変化の兆しは生まれています。
最初は不器用かもしれない、ぐちゃぐちゃしているかもしれない。
でも、まずは浸透することにも価値があるはず。
僕たちは当事者として、そして相談サービスを運営しているサポーターという立場両面から、この兆しを誰も傷つけない方向に繋いでいきます。

これからのぐるりの動きを、どうか見守っていただけると幸いです。