ボランティアは無料奉仕ではない

日本で一般的に言われるボランティアとは、個人が自発的に行う社会貢献活動のことを言う。具体的な活動内容は多岐にわたるが、以下にいくつか例を挙げてみる。

・地域清掃や公園の清掃活動
・災害時の支援活動や救援活動
・病院や施設でのボランティア活動
・子どもたちへの学習支援やスポーツ指導
・高齢者や障がい者の支援活動
・環境保全活動や地域の農作業など
・募金活動(寄付金を集めて、そのお金を社会的な問題や支援が必要な人々に寄付)

また、日本のボランティア団体に所属して活動することもある。このボランティア団体には非営利団体(社会的な課題解決や公益活動を行うために設立された団体)や慈善団体も含まれます。ボランティア活動は、「個人の自発的な意志」で行うため、報酬がない場合がほとんどで、社会貢献や自己成長のために行われることが多い。報酬がない場合がほとんどなので、個人が働いて得た収入(お金)などを削りボランティア活動を行うことがほどんどである。

だが、海外でのボランティア活動は日本の一般的なボランティアとは異なる。海外でのボランティア活動は無報酬で行われることもあるが、海外のボランティアプログラムに参加すると無料で参加してはいるが、お金を支払わなければいけない場面が出てくる。それについては、こちらの「Why You Should Pay to Volunteer Abroad(海外ボランティアにお金を払うべき理由)」をDeepL翻訳などで翻訳してみるといいだろう。次に、米国(アメリカ)の非営利団体内の従業員としてボランティア活動に参加する(働く)場合は、非営利団体で働く人はすべて無料のボランティアであるという誤解がよくある。実際、NPO(民間の営利を目的とせず社会的活動を行う団体)は米国で3番目に大きな雇用主(労働者を雇用している者)である。労働者を雇用するということは、賃金を支払わければならない。ちなみに、NPOの平均給与は58,114ドルで、給与の低さに加え、長時間労働のため、離職率が米国の非営利団体では大きな問題となっているようだ(https://donorbox.org/nonprofit-blog/guide-to-nonprofit-salaries)。

また英国(イギリス)の慈善団体で働く場合の平均年収をチェックするためにWebサイト(https://www.checkasalary.co.uk/salaries/charity)を利用してみる。(※慈善団体は一般的に非営利団体、非利益団体として活動している。)
このWebサイトで調べてみると、「Charity(チャリティー、慈善)の平均給与は29,751ポンドです。Charity(チャリティー、慈善)で働くと、£20,800 ~ £42,456 の収入を得ることができます。」ということが書かれており、しっかりと労働者に対して、賃金は支払われている。

ちなみに英国には「ボランティア学(英語では "Volunteer Studies"、"Voluntarism" や "Voluntary Action" といった類似の用語も使用さされる場合がある)」という学問が存在する。ボランティア学は、ボランティアの哲学、原則、および実践に焦点を当てた学際的な分野であり、社会科学、人文科学、教育学、法律、政治学などの多様な学問領域にまたがる。英国には、ボランティアという文化が根付いているため、ボランティア学は広く研究されており、多くの大学や研究機関で教育プログラムが提供されている。

今回ボランティア学というものを紹介したついでに、英国のボランティア学に関する情報を学ぶためのWebサイトとして「National Council for Voluntary Organisations (NCVO)」(https://www.ncvo.org.uk/)というものが存在する。NCVOはイギリスの非営利団体やボランティア活動に関する情報を提供する機関で、Webサイト上ではボランティア活動や組織運営に関する情報、リソース、トレーニングプログラムを提供している。このサイトでは、例えば、ライブオンライントレーニングとして「受託者のための財務スキル(Financial skills for trustees)(https://booking.ncvo.org.uk/event/sessions?id=Financial_skills_for_trustees_1_day1962708217#/)」などのイベントが開催されたりしている。「受託者のための財務スキル(Financial skills for trustees)」では、DeepL翻訳を用いて「イベント詳細」を翻訳してみると、


サービスに対する要求の高まり、不安定な収入源、財政的な不確実性が多くの慈善団体にとって常態化している中、財務ガバナンスと財務上の意思決定に完全な自信を持つことは難しいかもしれません。
評議員は、組織の財務的な回復力に対して、共同して、また個人として責任を負うことになります。このコースでは、優れた財務ガバナンスを実現し、財務上の不確実性を乗り越えてチャリティを導くためのスキルを身につけることができます。

https://booking.ncvo.org.uk/event/sessions?id=Financial_skills_for_trustees_1_day1962708217#/

このようなことが書かれている。財務は「お金に関することや資金の管理」を指しているので、ボランティア活動が本当に無料で行われるものであれば、このようなことは学ばなくてもいい。しかし、本来のボランティア活動は無料ではないことが、このことからわかるだろう。また、そもそも組織運営なので組織を運営する際には基本的に財務は欠かせないものである。

なお、日本では一般社団法人を通じてもボランティア活動をすることができます。一般社団法人は、法人格を持つ組織であり、その目的達成のために様々な活動を行っている。一般社団法人は、非営利団体であるため、給料や報酬をもらってはいけないと勘違いしている人が多いが、従業員に対して賃金を支払うことはでき、賃金を払わなければ一般社団法人の活動を維持することはできない(一般社団法人は給料を受け取ってもいいの?),(「給料出るの?」「出るわ!」怪しまれ続ける「NPO法人」を徹底解説します。)。

最後に日本で一般的に言われるボランティア活動は「個人の自発的な意志」で行われ、自発的な意志があるということは素晴らしいことではあるが、意志だけではボランティア活動はできない。そもそも個人は人間であるし、人間が生きていくためには、信用を数値化した「お金」を使い、衣食住を用意し、生活しなければいけない。日本の場合は年金制度などがちゃんと整っているので老後に無料でボランティア活動している人もいるが、それでも意志だけではボランティア活動はできない。実際にそう感じているのは事実である。


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