見出し画像

自転車屋さんの優しさに触れた1日。


職場まで自転車で通勤している。


ほぼ毎日と言っていいほど自転車を使用しているものだから、もちろん色んなハプニングが起こる。


サドルがボロボロになったり、カゴに蜘蛛の巣がついたりしてきたが、自転車屋さんに行くのがとにかく面倒で、そのままにしていた。


余談だが、高校生の時に使っていた自転車は、カゴが取れてしまったこともあったが、気にせずカゴなしの自転車を乗っていたこともあった。(恥ずかしさより自転屋さんに行く方が嫌だった)


そんなほったらかし精神の私だったが、ついに今日、自転車のタイヤがパンクした。


ついにきたか…と腹を括り、嫌々自転屋さんへと向かう決心をしたのだ。


訪れたのは、小さな商店街の中にある小さな自転車屋さんだった。


いざ入ろうとすると、
「申し訳ありませんが約15分ほど店を出ています」
という看板があった。


パンクはするわ自転屋さんは留守だわと今日はついてない日だと思った。


渋々15分ほど待っていると店主さんらしき人が帰ってきていた。


個人で営業している所ってなんか入りにくいなあ〜と思いながらもゆっくりドアを開けると


「いらっしゃい、ずっと店の前で待ってくれてたんやね、ありがとう」


とソース顔のおっちゃんとお兄さんの間くらいの方が声を掛けてくれた。


そしてさっそくテキパキと作業に入ってくれた。


外は31度を超える暑さで、おっちゃん倒れないかな…と心配しながらも室内でひたすら待っていた。


ちらっとおっちゃんの方を見てみると、パンクの修理はとっくに終わっており、カゴについている蜘蛛の巣を掃除してくれていた。


言葉に出来ない恥ずかしさとありがたさでいたたまれない気持ちになっていた。


その他にも、お願いしていなかったのにチェーンのところを直してくれていたり、鍵を入れるところが錆びていたのを綺麗にしてくれていたり(鍵入れにくかったからめっちゃありがたい)


そしてボロボロだったサドルまでもを無料で交換してくれたのだ。


なんてあったかい人なんだろう…と嬉しくて涙が出そうになった。


本来は、お金を頂いた分だけの仕事をすればいいものを、おっちゃんのご厚意で私の自転車をピカピカにしてくれたのだ。


おっちゃんに伝わっているか分からないが精一杯のありがとうの気持ちを伝えた。


小さなお店で1人でやっている人ほど、お金だけじゃなく気持ちや思いやりがこもった対応をしてくれるので、私も気持ちが良い。


人から優しさをいただいた時は、誰かに優しくしたくなる。


ついてないと思っていたけれど、この自転車が「良いことあるから自転屋さんに行きなさい」って教えてくれたのかもしれない。


これからもピカピカになったこの自転車を大事にしようと思った。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?