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読書の秋 2022

という名の、最近紹介しきれなかった本たちを一気にやってしまおうという魂胆です。

良い作品に出会ったら語りたくなるのですが、読んだ全ての作品はさすがに無理なので、時間が取れずに書けなかった作品をまとめていきます。

タイミングがちょうど良かったから読書の秋というタイトルにしたのですが、読んだ時期はバラバラだったりします。

1.『かけら』青山七恵

この作品は大好きな短編集の一作になりました。
3篇入った短編集で『かけら』、『山猫』、『欅の部屋』から成っています。

青山さんの丁寧な筆致と、何か起こりそうなな不穏感が根底に流れ続ける不安な文体。結局、不穏だ、不安だと感じているのは読者の私で、何も展開的には起きていないのに、それでも拭いきれないその感情は最終的に1週間ほど私を悩ませることとなりました。
あの場面で出てきたあの表現って一体…ということはこう捉えることもできる…と、この3篇について考えているときが楽しかったです。

2.『蛇にピアス』金原ひとみ

こちらは芥川賞受賞作です。『蹴りたい背中』と共に同時受賞したときは話題になりました。
金原ひとみさんはなぜか読んで来ずにいました。この前の文藝秋号にて、金原ひとみ責任編集による『私小説』特集をされることを知って、この機会にと積んでいた『蛇にピアス』を引っ張ってきました。

読んでみると、純文学とはこれだよなぁ…と痺れました。危険な雰囲気がずっと漂っていて、少し足を突っ込むと自分も沼から抜け出せなくなるような、とにかく危険、恐ろしさみたいなものが自分の中に生まれるのが分かりました。
主に登場する三人の関係や、三人の行動がとても自分とは想像のつかないところにいて、興味深くもあり一気読みでした。

3.『音に聞く』高尾長良

これは感想を書くのを断念した作品。
最初の方はとても好きな文体で、テーマも面白いなと思っていました。でも読んでいくうちにどんどん分からなくなってしまって。結局私はこの作品を読み取れなかったと今でも思います。

お互いが姉妹という近い距離にいる人間だからこそ、生まれた時から一緒にいるからこそ、その人のことを1番の理解者だと感じている。天才とよばれる妹を恨めしく羨ましく思う姉の行動には、なんだか可愛らしいものもあって、作者は人間を描き切ったなと感じていました。

それに反して妹は、つかみどころもなくて得体が知れなくて、私は怖いものをみるように読み進めていました。

結局3冊しか紹介できませんでした。
読書の秋楽しみましょう〜☺️

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