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氷山の一角

なぜ自分がそう考えるのか、振る舞うのか。その源泉を探してみることがあるが、そこには母と祖母がよく登場する。店員さんに必ず「ありがとう」という祖母や、利他精神の強い母から影響を受けているのかもしれない。母の日が近いので、埋もれる前に早めに書いてみた。ちょっと不思議な関係性の親子の話。


まずはそれぞれの生態から。


母:最近はいつ聞いたって58歳。読書、喫茶店、民放、スポーツ観戦が好き。人を集めて何かを企画したり、家に呼んだり、もてなすのも好き。よく喋る、世話好き、面倒見が良い(心配性)。中学生の時はバスケ部で足が速くて、部活の帰りにあんみつを食べていた話、偏差値が72あった話を58回以上は聞かされている。料理上手。目が二重。


祖母:89歳。編み物得意。昔は歩くのがとてつもなく速かった。スポーツ観戦好き(特に相撲)。NHK固定で、チャンネルを変えられると嫌そうにする顔を1万回くらい見た。和食中心で熱々の緑茶を浴びるように飲む。洋食はほぼ食べない。祖母の友達が家にいた記憶は無い。でも外で友達と話していることは何度かあったから友達はいる。母より多分料理上手。ディズニーランドを、デズニーランドと言う。目が一重。


民放とNHK。洋食と和食。珈琲と緑茶。家に呼ぶor呼ばない。母はお父さんっ子だったのもあってか、親子でも好みが全然違う。謎。一緒に住んでいた当時は、二人がぶつかっている様子を度々見た。言い方に気を付ければいいのになって思っていたけど小競り合いまでに発展することは無かったから、ハラハラしすぎず眺めていた記憶がある。いざこざがあっても1週間話さないみたいなことは皆無だったはず。


最近、祖母は長距離移動の際に母に車椅子を押してもらい遠出をしている。千葉県の市川市在住だが、遥々刈谷にも下関にも来てくれた。3月末に平家茶屋(景色最高!)でご飯を食べた時の話が、長年の謎を解き明かしてくれた気がした。


瓦そば御膳


関門大橋(記事の写真)に感動し、瓦そば食べ終わった後。母がトイレで席を外した際に、祖母から、







「私はそんなに先が長くないから、Y子をよろしくね、面倒見てあげてね」



と少し目を潤ませながら言われたのだ。面と向かって絶対に言わないけど、母として娘のことを想っている。その気持ちが水面下でも大きく存在しているから、言い合いになったって後腐れなく過ごしていける。二人のさっぱりした関係性の理由が少し見えて嬉しい気持ちになれた。


雑巾の乾かし方とか、生ごみ箱の蓋閉める閉めないとか、ガスがつけっぱなしとか、細かなやり取りがこの親子には必要なコミュニケーションで、自分が見ていたのは氷山の一角に過ぎなかったもかも。喧嘩するほど仲がいいって言葉もあるから。


衝突や意見の食い違いがあっても、お互いの最適解を探してさっぱりした人になろう。

この話が母の日プレゼントになればいいなぁ。

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