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想像力と余白力

「やったことないから、やり方がわからない。」「何を求められてるのか、わからない。」「何を作れと言われているのか、わかるようでわからない。」

誰かが、自分以外の他人にお願いするときに聞こえてくるフレーズ。それは、ビジネスシーンだけでなく、日常会話(夫婦間も)にも出てくる。

前提にあるのは、相手の能力や置かれている状況(物理的な環境や心理的な状況)を、100%理解することは到底できないから、それを念頭にコミュニケーションを取る必要があるということ。
相手のことは、手にとるようにわかる間柄だとか、自分が指導しているから間違いないとか、夫婦・彼氏/彼女だから大丈夫といったスタンスは、相手のことを把握していると思い込んでいる状態であり、それは間違いなく思い過ごしでしかなく、自分の中にいる相手を押し付けていて、間違っていると思う。

必要なプロセスとしては、お願いする方も伝わっているかの確認であったり、受け取る方も自分の理解の状況を伝えるということ。その確認作業を怠るとかなりの確立で妥協を含んだ成果をお互いが手にすることになる。

プロセスとしての「確認作業」はとても大事なのである。

しかし、自信がなかったり、時間や心に余裕がないと、この作業が飛ばされてしまう。「こんな質問をしていいのか」「これはわかっているから、伝えなくていいだろう」「説明する時間がないから、あとは汲み取ってやってもらおう」となってしまう。
大前提として、信頼関係が築けているのであれば、確認作業をどんどんするべきである。ただ、相手からの評価を気にして、そこに踏み込めなかったり、時々、変わった人もいて、相手を値踏みするような/されるようなこともなくはない。

そして、確認作業とあわせてとても大事だと思っているのは「想像力」である。

大げさに言えば「想像力」がすべての隙間を埋めてくれるし、確認作業の精度も上げてくれる。

サービス業においては、お客様がやってもらいたいことを先回りしてサービスすることであり、その他の業種においても何かしらのプロジェクトを進める上で、起こるかもしれない何かの準備をするということだと思う。

では、その想像力はどのようにすればきたえられるのかというと、
 ・  多くのことを経験すること
 ・ 知恵、知識として蓄積している経験値を流用できるかもと、常に考えること
 ・ 余白をもつこと

の、三つだと思う。

一つ目は説明の必要もなく、興味があること、関心があること、気になっていることすべてをやってみるということである。

二つ目は、今、直面をしている状況に対応するために、「経験した多くのこと」から得た知恵、知識が使える状況にあるのではないかと、仮説を立てて、似ている事象と紐付けることである。つまり、一つ目の多くの経験をベースに、相似形を探す作業なので、これも一つ目同様に、数をこなすことが前提になる。

三つ目は、考えるために、判断するために、そして行動を起こすために「必要な空白」を持っていることである。「空白」自体は、意味を持たないただのスペースであり、本来であれば何かがあった箇所に、何もない状態(期待していたが、そこにない状態)であるが、「余白」は、何か行動をするために残しておいたスペースであり、それ自体に意味があり、根拠になるものである。裏を返せば、余白がない状態では、正しい行動を期待できないし、導くこともできない。その結果、多くのことも経験できなければ、流用するための思考も実施できない。つまり、この「余白」となるスペースを確保しておくこと「余白力」が「想像力」を支える大事な力になると思う。

日々の暮らしにおいて、「想像力」と「余白力」を駆使すること、そしてこのレベルを上げていくことで、毎日が楽しくな、幸せになれると信じている。





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