我が家のバイリンガル子育ての軌跡 #6 〜日本語能力の維持について〜
今日はモモとララの日本語能力の維持について書いていきたいと思います。(第一弾で予告してからだいぶ後になってしまいすみません)
そもそもバイリンガルに育てたいわけ
さてここまでバイリンガルを連呼しているが、そもそもなぜバイリンガル教育にこだわるのか、というお話。
英語の獲得にこだわるわけ
残念ながら日本の未来は暗い。
多くの人が既に指摘していることだと思うが、日本は人口減少の一途をたどり、同調圧力は高く、男女格差が根強い。話せるのが日本語だけでは本人たちの希望する未来が手に入らなくなる。現時点で英語が実質世界の共通語である以上、それがモモとララに英語を習得させたい第一の目的だ。
現在9歳と7歳の彼女たちが自分の手で将来を選び取るのは、そう先のことではない。その時に海外に残り続けるもよし、日本に帰るもよし。身につけた語学力と広い視野を武器にいろいろな人生を選べるようになってほしい。
これが、私と夫カイが彼女たちに願うことだ。
日本語の維持にこだわるわけ
では彼女たちの母語であるところの日本語はどうだろう。海外に暮らしているからといって日本語をあきらめるのか?やはり、それはできない。
それはシンプルに「日本がモモとララのアイディンティティだから」だ。
日本人どうしの夫婦のもと、日本で生まれ、物心つくまで日本で育った二人。祖父母や友だちも日本にいる。大きくなった時に二人の核になるのは、間違いなく「日本人であること」だと思う。
日本語はそのアイディンティティの基礎となるもの。
しかし現地の日本人先輩ママたちに聞くと、それは簡単なことではないようだ。
バイリンガル教育はイバラの道!?
実例!言語教育のそれぞれ
子どもの日本語能力を維持することの大変さについては、カナダに渡航後いろいろな日本人ママから聞いた。ここでその一部をご紹介しようと思うのだが、結論から言うと、残念ながら「自然に任せてもバイリンガルには育たない」のだ。もちろん、トリリンガルやマルチリンガルとなると話はもっと複雑だと思われる。
現地在住歴27年の J さん:お子さんの日本語維持に全力投球
カナダに渡航してすぐに現地日本人エージェントの方から紹介していただいたのは、現地在住歴27年の日本人の方。この女性 J さんは、カナダ人の旦那さんと結婚後、日本を出てずっとカナダで暮らしておられるとのこと。
J さんを自宅アパートにお呼びしてお茶をご一緒する機会が何度かあったのだが、その時にモモとララが遊ぶ様子を見ながら、ふとJ さんが
「今はお子さんの英語の行方がご心配でいらっしゃると思うんですが、そのうち…そうですね、数年もしないうちにきょうだいの間の会話は英語になってしまいますよ。」と仰った。
「えっそうなんですか?」と私。
「そうそう。やはり子どもは楽な方を話してしまいますから。」と J さん。
J さんご自身は、お子さんが一人おられ、バイリンガルに育てるために相当の努力をされたそう。普段、お子さんとお父さん( J さんの旦那さん)との会話は英語、学校も友だちと遊ぶ時も英語。お子さんに1日8時間は日本語に触れさせると決め、徹底的にそれを守ったという。
その結果、途中でお子さんの漢字の読み書きに関しては諦めたものの、成人した今でも日本語での会話は問題なくできるとのこと。
J さんは日本に帰国するたびに絵本も含めて大量の古本を買ってスーツケースいっぱいに詰め込んでカナダに帰っていたそうだ。そうして現地では貴重な日本語の本のコレクションをたくさん持っておられる。私たちが都市部から田舎に引っ越す時に、その一部を「もうあの子も読みませんからぜひ」と譲り渡していただくことになり、ありがたくいただいた。
ただこの J さんのケースは、今まで見聞きした中ではかなりハイレベルな日本語教育をほどこしてバイリンガル教育が成功した例だと思われる。そうでないケースの方をより多く見聞きするからだ。
現地在住歴30年の G さん:途中で日本語教育をあきらめた
現地在住歴30年の G さんは、日本の高校卒業と共にカナダの大学に進学し、そのままカナダ人の旦那さんと結婚して三人のお子さんを育てている。一番上のお子さんがもうすぐ大学生、一番下のお子さんは小学生。
G さん宅も J さん同様、旦那さんは全く日本語が話せないので日常会話はほとんど英語だ。
G さんは、三人育てているうちに段々と日本語教育をあきらめるようになったと言う。上のお子さんの時には熱を入れて日本語の読み書きを教え、母子の会話も日本語でするように心がけていたが、下のお子さんが生まれて日々の生活を送るにつれ、「現地で話されない言葉」を維持することの大変さに疲れてしまったよう。
ご自宅にお邪魔した時は一番下のお子さんがおられたが、親子の会話は全て英語で行っていた。
「上の子には『お母さんは〇〇(下のお子さん)に甘いよ。僕の時にはもっと日本語日本語って厳しかったのに。それでももっと厳しくしてもらえば良かった。なんでもっと日本語教えてくれなかったの』って言われるんです。子どもの教育ってほんとに大変ですよね…」と仰っていた。
海外在住歴約30年の S さん:日本人夫との子どもだったが英語メインに
最後にご紹介するのは、アメリカも含めた海外在住歴約30年のSさん。この方はここまでにご紹介したお二人とは異なり、二人のお子さんの父親は日本人(その後離婚)だ。
「馬場さん、『家の中で日本語で話すから大丈夫』なんて甘い甘い!うちは日本人夫婦の間に生まれた子どもで日本語学校にも通わせましたけどね、もちろんきょうだいの間の会話は英語だし、上の子がぎりぎり日本で就職できるかできないか、っていうレベルの日本語力ですよ。下の子なんて日本で就職は無理無理!」
とのこと。
なかなかバイリンガル育児の道は険しいのだ。
我が家はどうする?
いまのところやっていること
さて、今我が家でやっている日本語教育は、本当に「最低限」のもの。それは
家の中では日本語で話す
学校から帰宅後は漢字と音読をそれぞれ1ページずつやる
以上!
都市部にいた頃は週末に日本語の補習校が開催されていたのだが、それには参加しなかった。そのころは現地の学校生活を軌道に乗せることで精一杯だったことと、日本の学校生活がトラウマになっているモモに配慮したためだ。
うーん…ここまでの話を総合すると、これでは日本語の維持はかなり厳しそうだ。我が家の日本語教育のその後については、またおいおいアップデートしますね!
まとめと次回予告
今回もお読みいただきありがとうございました!
次回のテーマは未定です!お楽しみに〜!
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