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一人親方の労災保険、国保と健保どっちがいい?――専門業者も頼ってみよう!

腕ひとつで現場を渡り歩く、建設業界のフリーランスである一人親方。

一人親方は、自分の収入や生活はすべて、自分で責任を持たなければなりません。

しかし実際は、万が一の事故でケガをした際のリスクヘッジになる労災保険に加入していないケースが多いのです。

今回の記事では、一人親方が入るべき労災保険について解説しましょう。

(今回のポイント)

・一人親方が労災未加入のケースは意外に多い!

・国保では労災事故の補償が受けられない!

・地域の協会や組合に相談してみよう!

一人親方は労災未加入のケースが多い!


まずは、一人親方の労災未加入問題の実態を解説しましょう。


・なぜ、労災に入らない一人親方が多いのか?


厚生労働省が2018年に実施した調査によれば、一人親方のうち労災保険の未加入者は14.1%。

「たったそれだけか」と思われるかもしれませんが、無回答を除いた残りの81.9%の人は、「加入している又は加入予定」。

このなかにも未加入者が含まれるため、実際の未加入者は14.1%よりも多くなります。

さらに、加入していない理由を見てみると、一番多いのが「保険料を負担したくない」で26.5%。

次が「民間保険加入済み」で24.9%、「制度を知らなかった」が24.7%と続きます。

この結果から、一人親方は労災保険に関して意識が低いという実情がうかがえます。

・労災保険に入らないことで、どんなデメリットがある?


労災保険に未加入の一人親方は、次のようなデメリットを被ります。

①ケガの治療費が払えなくなる危険がある!

労災保険に入っていなければ、労災事故によるケガの治療費給付を受けられません。

ただでさえ業務がストップして収入が入ってこなくなるうえに、治療費も全額自己負担となれば、非常に深刻なダメージを受けることになります。

さらに注意すべきは、建設業者が加入する建設国保は、労災においては適用されないという点。

「国保に入っているから労災も補償される!」と勘違いしている人も多いのですが、これは大きな誤りなのです。

②休業補償が受けられない!

一人親方は現場に入れなくなれば、必然的に収入がストップします。

しかし労災保険に入っていれば、労災事故で仕事が得られない間の休業補償が得られるのです。

保険料をケチったり制度を知らなかったりして労災保険に入らなかったがゆえに、実際に休業せざるをえない状況に追い込まれたときに泣きを見る親方も、決して少なくありません。

③仕事がもらえなくなる!?

さらに、労災未加入の一人親方は、元請けから仕事がもらえなくなる恐れもあります。

国土交通省は建設会社に対して、労災未加入の下請け業者を現場に入れないよう指導しています。

特に大手ゼネコンなどしっかりした会社が元請けの場合は、確認書類の提出を求められるため、労災未加入の一人親方は現場に入れてもらうことができないケースもあるのです。

一人親方が労災保険に加入するには?


このように、一人親方が労災保険に入らないことによるリスクは非常に大きいのですが、一人親方はどうやって労災保険に加入すればいいのでしょうか?

そんな親方のために、最近では労災保険加入をサポートする専門団体が登場しています。

・地域の協会に相談できるケースも!


建設業には、地域ごとにさまざまな協会や組合が存在します。

そうした窓口に相談することで、建設国保や労災保険に関するアドバイスが受けられます。

たとえば埼玉県には、一人親方向けの「埼玉労災一人親方部会」が存在し、この部会によって労災保険に加入できます。

通常の協会や組合は、建設国保と労災保険のいずれかに特化していますが、埼玉労災一人親方部会は両方を取り扱っているのが大きな特徴。

組合費はかかりますが、飲食店や保養施設などの優待もあり、窓口相談によるアドバイスで結果的に保険料を下げられる場合もあるので、一人親方にとって加入するメリットは大きいでしょう。

参考:埼玉労災一人親方部会

ほかにも、全国にこのような「一人親方部会グループ」が存在しますので、下記のリンクをどうぞご参照ください。https://saitama631.jp/category/oyakata631/​


●北日本労災一人親方部会


●東北労災一人親方部会 


●北陸労災一人親方部会 


●中部労災一人親方部会 


●西日本労災一人親方部会

●九州一人親方福祉協会


【まとめ】
国は一人親方の労災保険を推進しており、今後、未加入の一人親方が現場に入れなくなる傾向はますます強まります。

地域の組合などを通じて制度を知り、この機会にぜひ加入しておきましょう。

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