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【Sample Theme 7】災害について

3.11震災遺構~名取市閖上~


3.11大震災からはや10年がたちました。
最近では「震災復興はもういいでしょう」という言葉もよく耳にします。
昨年からは新型コロナウィルスが猛威をふるうようになり『3.11』はどこか色褪せた遠い思い出話になってしまったようにさえ思えます。


しかし、災害で失ったものはインフラだけではなかったはずです。
インフラが復旧したから復興はもうおしまいでしょうか?

今回訪れたのは宮城県名取市にある閖上地区です。
津波による犠牲者は人口の1割、600人以上といわれています。
当時の証言から、その多くが自動車で避難しようとして巻き込まれたことや、避難誘導時の判断ミスがあったことなどが知られています。


もしこうなることがわかっていたら、助かった命があったかもしれません。
そして、その『もし』が次にまた来るとしたら、震災の遺構を伝承し、後世に伝えることがいかに重要なことか、お分かりいただけると思います。


そこで、津波の壊滅的な被害を受けた場所のひとつ、閖上地区の震災遺構をご紹介したいと思います。


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津波によって壊滅的な被害をうけた閖上地区にはこのような記念碑が建てられています。
右側の石碑には犠牲者のお名前が刻まれています。


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道路をはさんだ向かい側には日和山があります。
ここには神社がありましたが津波の被害を受けました。


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小さな山の上にはお社が祭られています。
社殿の再建を願う人々の想いがつづられています。


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堤防のために視界が遮られていますが、登ると海が広がります。
海鳥がまったくいないのが印象的でした。


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植林された松がまだ若く、近くによるまで気づきませんでした。


写真をみていただいてわかるように、殺風景な場所です。
行ったところで何も面白いものはありません。
面白いものはすべて津波に奪われてしまったからです。


自然を恨んでも仕方のないことですがその恐ろしさを知り、語り伝えることはできるでしょう。

震災伝承ネットワーク協議会事務局(国土交通省東北地方整備局企画部)のホームページから各地の震災遺構について知ることができます。
URL : https://www.thr.mlit.go.jp/shinsaidensho/


※作業時間32分、文字数858文字(タイトル、URLリンク含む)
災害は仙台でライターを営むうえで避けては通れないテーマだと感じており、今回のテーマといたしました。
3.11の被災地域は広域であり、そのすべてをつぶさにご紹介することは難しいため、仙台市内から比較的近い閖上震災遺構をご紹介することにしました。

かといって、震災の証言をヒロイックに紹介することも、お涙頂戴のコケティッシュなストーリーで仕上げるのもどこかむなしいと感じます。

Youtubeなどにアップロードされている津波の映像はとても衝撃的ですが、 震災遺構の目的が『後世に伝える』ことにありますから、ここでもその意図を汲んだ文章構成としております。

そのため、文字数を少なく、写真も断片的なものを選んで使用しました。


写真はCanon EOS Rを使用しております。
空の青さを強調したことで彩度が冷たく、重さに深みがでたように思います。
ご覧のとおりの快晴で日差しが強かったのですが犠牲者を弔う荘厳さを演出できたのではないかと思います。

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