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002 建物と対話する

どうも、シタシマです.今日も書きます.

 みなさんは、トークイベントや講演会のようなものにどれくらいの頻度で参加されますか?都市部にお住いの熱心な方は頻繁にいかれるかもしれません.一方でぼくのような地方にいる人は、自分の行きたいイベントに通うことはなかなか難しいものです.
 しかし、今ぼくたちにはインターネットという強い味方がいるわけです.ライブ感は感じられないけれど、動画やラジオを使えばその人の声でその人の話を見たり聞いたりできます.

 ぼくはのこの恩恵を非常に受けていると思っているのですが、つい昨日Youtubeのおすすめ欄に建築家によるトークが出てきました.見たところ、とても面白かったのでここに共有します.

 ぼくの見た動画は、建築家の山崎健太郎氏によるTEDトークです.2017年にアップロードされていたので既にご存じの方もいるかもしれませんね.ぼくにとっては、昨年に行われた「建築の日本展」にて山崎氏の作品を目にしたのが最初でしたが、そこまで深く存じ上げませんでした.しかし今回の動画を拝見して、ググっと惹かれました.12分程度の短い動画なのですが、ぼくはこのプレゼンから、
建築の放つメッセージと、その受け取り方
を考えさせられました.

 プレゼンは、山崎氏の設計した建物を紹介しつつ自身の建築に対する考え方をお話するというかたちで進んでいきました.
 特に印象的だったのが、町家と団地の対比です.手前にミセというにぎわいを生む空間をもつ町家.古くからある形式で、日本人になじみのあるものです.一方で戦後からおいそれと建設がなされた団地は、核家族という単位で家族をパッケージ化し、その集合として作られた形式です.山崎氏はこの団地について「建築から家族はこうだと教育されている」ようだと述べていました.
 このように、建築は建ってしまった時点から、ぼくらが感じなくとも何かのメッセージを放っているのです.そして山崎氏は建築によって人々が忘れてしまった記憶があるとしたうえで、「暮らしの中でやさしく語りかけてくれる建築をつくりたい」と締めくくります.そしてその理念は、紹介された事例によく表れていました.

 ぼくらが普段何気なく過ごしている家や職場や学校は、無意識のうちにぼくらに何かを「強いている」のかもしれません.そう考えると、建築家のつくる建物はそれをほどいて、もっと自由に過ごせる可能性を提示してくれる、とてもワクワクするものだよなあと、感動しました.ただ実際に使う人々が自由に動いてくれるかは別問題で、それをつくる難しさにと楽しさに、建築家のやりがいがあるんでしょうね.
 今度雑誌やなんかで建築を見るときは「何て言ってそうだろう」と考えながら見てみることにします.

では今日はこのへんで失礼します.

ではまた.

以下動画のリンクです、お時間あればぜひ.


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