灰色インコ

アマゾンオリーブ、ライム、アデク。

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最近の記事

天野山と鉄の檻

いつだったかに寄ってみた、大阪の南の山の裾、奈良時代?創建の『天野山金剛寺』。 きゃしゃな門の向こうには、 大きな立派な塔頭群が、上代のまだ様式定まらぬままに配置された感、それらが未舗装のでこぼこ砂礫の上にあるさまは、 大切につくられたものが、早々に大きな流れから外れた瀬に打ち上げられ、傾いだまま留められたような印象である。 立ち位置も立地も派手ではないから、予備知識のないまま行くと、不思議。 江戸期のものだったら、鎌倉期のものだったら現在に繋がっている気がするけれど、

    • ぎごちない八艘跳

      能楽の体験ができたので、忘備録。 旅程と、体験紹介サイトですり合わせた。 空き枠は、ずっと先までほとんどなかった。他は例えば学校や企業研修などに充てられているのかしら、どうかしら。 場所は根津美術館近くの、コンクリート打ちっぱなしの建物。玄関から無垢の一本材が使われていたりして、シンプルながら趣きがある。さすが。 上がって扉を開けると広い構堂の中に、すっぽりと能楽堂が入っていて驚く。すごい。

      • 爛柯(らんか)

        淵は深く、岩肌から広く滝が流れ込んでいる。12月28日、冬。やんばるの最深部。 水辺にはサクラツツジが咲いている。葉は艶々していて石楠花のような…と思って足を踏み出すと黒い淵。 足元にイジュ(伊集)の白い花がいくつも流れてきた。 薄くピンクがかったツツジに加え、暖冬とはいえ、初夏にしか咲かない白い花々が広がる光景に、心がざわめく。 森の奥から甘い匂いがする。 トンネル手前、川の下流から大小10ぐらいの滝を登ってきた。小さい滝は1~3メートルの高さ、大きいものはダラダラ坂

        • 丸頭くん

          冬になると、 と言って亜熱帯の当地では最低気温は12℃ほどだけれどでもともかく冬になると、フクロウが来る。 それも寒い夜に。 冬は毎年違う。 気温が10℃近くまで下がる日々もあれば、まるで夏のような暖かさが続くこともある。 気温が低い日々は雨も伴い、木々も虫も何もかもうな垂れたように静かな夜にふと見上げると、 うちの前の電線にフクロウが止まっているのだ。 丸い頭は賢そうで、 性別は分からないけれど輪郭がまだ柔らかく、若い個体な気がする。 アオバズクだと思う。郊外の鳥。 森

        天野山と鉄の檻

          春の雪

          いつだったか、イングリッシュガーデンの催しでヘーゼルナッツの変種を見ていたら、同じ鉢に目を留めたご婦人がその枝ぶりを褒め、そして僕に、自分の習っている華道では、こんな変わり枝も花材として使うのだと言った。 ナチュラルなんですねと問うと、その流派は山村御流といい、自在に伸びた枝物を用いたりするという。 「野にあるように」ということもおっしゃる。バラ苗だの花柄の雑貨だのという催しの中で、そういう寂びた話が面白くてよく覚えている。僕はワークパンツにブーツという格好で、「園芸関係の