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ハンドドリップとデザインの共通点から考える理論と感覚の話

僕は最近、コーヒーにはまっている。日々ドリップしたコーヒーの味を確かめ、細かい変数をいじって微調整し、味の感想を記録して改善を繰り返す。

ここまではまったのはコーヒーが美味いからというのもあるが、ハンドドリップコーヒー自体の魅力とデザインのある共通点に気付いてしまったのも理由の1つかもしれない。

以前書いたブログで、僕は次のように述べた。

今までなんとなくコーヒーを淹れていたが、こんなにロジカルにコーヒーを淹れることができるのか、と。それから彼が紹介するコーヒー器具を買い集め、日々ハンドドリップを楽しむようになった。

ドリップコーヒーを美味しくする仕掛けに気付いたことで、より一層コーヒーを楽しむようになった。挽き目が味に与える変化やお湯の比率による変化等、コーヒーの味を変えるための理論を片っ端から読み漁った。

それから1ヶ月が経ち、今ではまた感覚的にコーヒーを楽しむようになった。いや、感覚と理論が繋がったという方が正しいかもしれない。

まずは日々の経験則に基づき、コーヒーを淹れ、味を感じる。コーヒーの味が持つ良い部分・悪い部分を感じてから味の微調整を繰り返す。

味の微調整を行うためには、基本的な理論を知っておくことが必要だ。しかし、ここで重視したいのは最初は感覚的にコーヒーを楽しみ、細かい味の変化を感じ、違和感の原因をロジカルに把握し、改善していくということだ。

まず淹れたコーヒーがそこにあり、味の違和感に気付くことで初めてロジカルに思考できる。

デザインの逆推論

このプロセスはデザインをする時の思考過程と似ている。具象があるからロジックを見出し、思考することができる。

以前、上野さんがデザイナーの逆推論についてツイートしていた。私たちデザイナーはビジュアライズすることで、具象を生み出し、そこからロジックを見出し、抽象を掴む。

これができるのがデザイナーの強みであり、だからこそ僕が今デザイナーであり続ける理由だと思っている。

感覚と理論の行き来

当時の僕はとにかくカッコよくて周りの友人達に褒められるものが作りたかった。

僕が初めてデザインに触れたのは大学2年の冬だ。以前書いたnoteにある通り、当時は感覚的にかっこいいと思うものをとにかく作りまくった。

まさに感覚的につくっていたのが当時の僕である。最初から理論の世界に入っていたら、僕がデザインするモチベーションは消えていたかもしれない。当時は純粋に楽しんでいた。

初めてデザイナーになってから2年、僕は挫折しまくった。そこで初めて理論を知るために、ひたすら世間的に良いとされているものを真似し、分析しまくった。

もっとワクワクする方を選びたい

コーヒーを淹れることも、デザインすることも形あるからこそ思考ができる。理論やフレームワークにしたがって美味しいコーヒーを淹れることができるかもしれないが、楽しいコーヒーにはならない。

デザインも同じで、理論ファーストは失敗する確率は減らせるかもしれないが、ワクワクするものって減っていくんじゃないかなと。

まずは感覚的に作ってそこから思考をする。同じようなアウトプットができるとしたら、僕はワクワクする方を選びたい。コーヒーにはまったことで改めてその大切さを認識した。

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