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2週間の北欧旅行を通じて感じたこと

この夏、Copenhagen Institute of Interaction Design (CIID)というデンマークにあるインタラクションデザインに特化した研究機関が開催するサマースクールに参加してきた。

サマースクールは5日間だけだったものの、せっかくコペンハーゲンに来るので約2週間のお休みをもらい、北欧を旅することにした。

7月5日金曜夜の便でベルリンへ向かい、2日ほど友人宅で過ごしそのままコペンハーゲンへ向かい、5日間のサマースクールを受講。その後は、ストックホルムとヘルシンキを2日ずつ計4日間訪れた。

この2週間で北欧の街を歩き、たくさんの人と交流し、自然に触れ、少しずつではあるが自分の心の中にある変化があったので、この記憶が薄れないうちに、書き綴ろうと思う。

生活における余白の重要性

コペンハーゲンやストックホルム、ヘルシンキの街中を歩いていると不思議な気持ちになっていた。せっかく長期旅行で来ているのに、この街を遊び尽くそうとか、楽しみ尽くそうという気持ちから解放され、落ち着いた気持ちで時間を過ごしていたように思う。

街を歩けば公園があり、芝生で昼寝をしている人もいればベンチに座って本を読んでいる人がいる。あまりにもみんな気持ち良さそうにしているので、一緒に横になってみることにした。

10分、20分、30分と時間が過ぎていく。2週間という限られた時間で旅しているにも関わらず、時間が経過することに対する全く焦りがない。

思えば、旅をする前の自分は生きていくことに対して焦っていたような気がする。何かに追われてがむしゃらに勉強したり、遊びに行っても事前に観光スポットの記事を読み漁り、貴重な時間を楽しみ尽くそうと必死になっていた。

この心理の変化は一体何が起因して起こったのだろうか。1つはもちろん「仕事を休み、旅をすることで心理的な余裕があること」が理由だと思う。2週間という時間はヨーロッパを旅するには短い時間だが、日常から離れる時間としては充分であり、気持ち的な余裕が生まれたのかもしれない。

他にも、長い距離を歩いている途中に、ちょうど良い公園があったからかもしれないし、公園にいる人々の気持ち良さそうな表情を見て真似してみたくなったのかもしれない。

彼ら彼女らと同じようにゆっくりと時間を過ごすことで、仕事の悩みやプライベートの悩み、慣れない英語のワークショップで生じた語学の悩みは吹き飛び、太陽の明かりの気持ち良さを肌で感じていただけだった。

日本にいる時には無駄のない生活を送ることに必死になっていたが、この旅を通じ、「何もしない時間の重要性」を確認することができた。

事象を形作る背景に目を向ける

CIIDの授業中、「人々を取り巻くネットワークに目を向けろ」とよく言われていた。ユーザーインタビューをする時もユーザーテストをする時も、彼ら彼女らが発言する理由、文化的、社会的背景、制度、制約、全ての関連性に目を向けて理解することが大事!と伝えられた。

インタビュー中だけではなく、CIIDのワークショップ中でもチームメイトとの意見の違いに驚く機会が何度もあった。当たり前だが日本での当たり前と世界の当たり前は全く違う。頭で理解していても実際に会話し、違いに直面することで再度気づくことがある。

北欧の公園で感じた落ち着きも「北欧の公園は最高!」の一言で片付けるのではなく、公園で感じた豊かさを形作っている背景って何なのか?を考え、理解することで、日本に帰った後も同じような豊かさを自分の中で探していくことができるように思う。

自然の中で生きている

今回の旅の中で、最も印象的だったのがフィンランドヘルシンキの森の中にあるサウナである。

場所はヘルシンキの中央駅から北上しバスで30分ほど。周りは木以外何もない森の中にポツンと位置するサウナ。

スモークサウナと呼ばれるサウナで、煙突のない小屋の中でサウナストーンの乗った釜に薪を焼べて室内と石を暖め、煙が小屋の中に充満。

中に入るとかなりの熱気。サウナストーンに水をかけると一気に温度が上昇し、一瞬で汗が吹き出る。

スモークサウナの火の熱さで身体が火照り、室内の炭の匂いを感じたあとは、湖に飛び込みクールダウン。最後に森の心地よい風を感じながら日光浴をすると、自然の有り難みに感謝せずに入られなかった。

ヘルシンキを訪れる人はぜひ一度、このスモークサウナと大自然を体験してほしい。

おわりに

あっという間の2週間が終わり、帰りの飛行機の時間が近づいてきました。どこか心寂しい気持ちがありつつも、最高のサウナで最終日を締め、1日の楽しみ方を北欧で見つけることができた。今回の気付きは日本に帰ってからも忘れずに持っていたい。

最後に13日間の旅を共にしたうさみんが探し出してきたオススメの店の美味しいスープをいくつか載せて終わります。

Ravintola Aino
肉厚な鮭とクリーミーなスープが美味しかった。

Ateljé Finne
きゅうりとヨーグルトのコールドスープが最高に美味しかった。

(完)

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