言語やロールの違いを超えて、一緒にデザインしていくための挑戦 - Spectrum Tokyo Festival 2023
はじめに
こんにちは、freee株式会社でグローバルデザインチームのマネージャーをしているHalです。この記事はfreee Designers Advent Calendarの4日目です。
2023年12月2日と3日に開催されたSpectrum Tokyo Festival 2023で、「言語やロールの違いを超えて、一緒にデザインしていくための挑戦」という内容で登壇しました。
本記事ではその発表内容の書き起こしを共有します。
発表内容
freeeは、「スモールビジネスを、世界の主役に。」をミッションに掲げ、統合型経営プラットフォームを開発・提供している会社です。
freeeのサービスをイメージしやすくするために、身近な例を紹介させてください。
僕はコーヒーが好きなので、よくコーヒー屋にいくんですが、コーヒー屋を経営しているほとんどのオーナーが自身がバリスタであり、経営者であり、そして自ら会計ソフトに記帳をし、税務申告を行っています。
大企業と比べて中小企業の経営者の多くは、自ら会計業務をやっているんです。でも、彼らは会計の専門家ではありません。
最近知り合いのコーヒー屋さんがこんなことを言っていました。
freeeを使ったおかげで会計業務から解放されて、忙しい申告の時期ですら、より本業に時間を費やすことができているわけです。
おかげで私はその経営者の申告期も美味しいコーヒーを飲めるわけです。
コーヒー屋に限らず、世界にはたくさんの面白いスモールビジネスがあります。
freeeが、スモールビジネスを支えていくことで、おいしいコーヒーが毎日飲めるし、社会がより良く面白くなると信じています。
本題の紹介
そんなfreeeは、2022年にグローバルチームを立ち上げました。
しかし、日本の中小企業向けサービスをグローバルチームで開発していく道のりは困難の連続でした。
今日は私が1人目のデザイナーとしてグローバルチームに入り、デザインチームを立ち上げるまでの苦悩や振り返りからの学びを皆様にシェアしたいと思います。
Whyグローバル
グローバルチームと聞くと、グローバル市場に製品を届けているチームと思うかもしれませんが、freeeにおける現時点でのグローバルチームは、日本の市場に向けて多国籍なメンバーで開発するチームのことを指しています。
日本の製品をなぜ多国籍なメンバーで、英語と言うハードルを乗り越えて開発しているのか?
その大きな理由が、「深刻なエンジニア不足の解消」です
近年、優秀なエンジニアの獲得は企業間の競争が激しく、本当に難しくなっていますし、その状況はまだ加速を続けています。
freeeでは地方開発拠点の設立など、日本国内でのエンジニア採用にも様々な角度から創意工夫し取り組んでいますが、 freeeの急速な事業成長を実現する開発力を更に獲得していくため、2021年からは海外にエンジニア組織を広げることに挑戦し始めています。 その第一歩がLikha-iT(フィリピンの開発会社)のfreeeグループへのジョインです。
Likha-iTがfreeeへジョインすることが発表された日、freee社内でグローバル開発に取り組むことが共有されました。
その共有をみた瞬間、当時のマネージャーに相談の予定を入れ、そのチームに異動させてくださいと伝えました。3ヶ月後に私は1人目のデザイナーとして、グローバルチームへ移動しました。
僕がグローバルチームに飛び込んだ理由は2つあります。
1つ目は、僕がグローバルな視点を活かしたチームで働くことに興味を持っていたからです。
僕は、2019年にCIIDというコペンハーゲンのデザインスクールで1週間ワークショップに参加したことがあります。
その時、同じチームのコペンハーゲン在住の方と話をしているなかで「freee会社設立」という簡単に会社を設立できるというサービスを説明しましたが、全くささりませんでした。デンマークでは会社の設立が25分ででき、そもそも会社設立にペインを感じていなかったのが理由です。
文化や育った環境が違えば「当たり前」は変わるということを肌で感じた瞬間でした。ただ、いちばん大きな学びはワークショップの中にありました。
全く意見が合わずにストレスを感じた瞬間もあったんですが、背景の説明を繰り返しブラッシュアップさせていくことで、ワクワクするアイデアがどんどん生まれていきました。
freeeでも、こういった視点の違いを活かしたチームを作っていくことで、よりユーザーに価値を届けやすくなるという確信に近いものがありました。
2つ目は、グローバルチームによって、freeeが「より幅広い人に価値を届ける」サービスになるという確信があったからです。
日本には182万人近くの外国人労働者が働いています。日本のあらゆるビジネスシーンでは、外国籍の方を考慮しているとは思えないシステムが多く存在します。その結果、本来日本で働きたいけど、諦めざるを得ない人も多くいます。
僕が多様なバックグラウンドな人たちと働くことで、より面白くなると考えているように、僕自身スモールビジネスがもっと幅広い人が働きやすくなる環境になれば、社会もよりよく、面白くなると信じています。
だからこそ、スモールビジネスに向けてサービスを提供しているfreeeが、多様な視点を持ってプロダクトを届けていくことに可能性を感じ、チームに入りました。
グローバルチームで働き始めて約2年ほど経ちましたが、その決断は間違っていなかったと思っています。
優秀なチームメンバーに囲まれ、日々理想的で新しい視点をもらいながら刺激を受けてデザインすることができています。ただ、その道のりは苦労の連続でした。
グローバルチームとして最初に取り組んだこと
グローバルチームは、日本のスモールビジネス向けにいくつかのプロダクトの開発を担当しており、既存プロダクトの改善を担当したり、グローバルチームだけで新規のプロダクト開発を担当するケースもありました。
今日はその中でもグローバル開発チームで担当した新規プロジェクトについて紹介していきます。
新規プロジェクトの挑戦と振り返り
2022年4月頃、グローバルチームで初めての0→1の新規プロジェクトがキックオフし、7月末or8月初旬から主要機能の本格実装を開始し、2022年12月15日にリリースしました。グローバルチームとしては、初めて0から作成した新規プロダクトで、今では多くのユーザー方に利用していただけている機能だが、そのプロジェクトはとにかく大変でした。
発生した問題は思い返すとやまほどあったんですが、いくつかのエピソードを紹介します。
①Hal, Figmaの使い方を教えて欲しい
フィリピン出張にいった時、このチームのプロジェクトマネジメントをしていたメンバーから言われた一言です。「おぉ、Figmaを使って一緒にデザインしたいんだね、最高だ!」と思ったがそれは勘違いでした。要は、デザインの更新履歴がわからない、実装しようとしている機能の仕様がわかりづらいからFigmaの使い方を教えて欲しいとのことでした。
僕は疑問に思いました。
なぜ新規のプロジェクトなのに、Figmaだけで仕様を確認しようとしているのだろうか?
当時、僕は別のチームに関する予定で出張にいっており、このプロジェクトのデザイナーではなかったが、何かまずいと思って、そのプロジェクトに入ることにしました。
実は当時のグローバル開発チームは、専属のデザイナーが僕一人だけしかいなかったので、全てのプロジェクトに入ることができていなかったんです。
その新サービスでも日本のデザイナーが担当していたのだが、どうやら英語で仕様を伝えることに苦労していたり、プロダクトマネージャーも同様に苦労していましたた。その結果、何を開発するか?を理解するためにFigmaのデザインデータを元に確認しようとしていたわけです。
プロジェクトに入ってすぐに私が取り組んだのは、エンジニア、プロダクトマネージャー、QA含めてプロジェクトに関わる人が仕様の認識を揃えるためのドキュメントを作ることにした。
ドキュメントを作っている時にもすでに開発はなぜか始まっているので、急いで用意したんですが、結果的に開発チームとプロダクトマネージャーやデザイナーの間で、どこで認識ズレが起きているかを特定することには多いに役立ちました。
②リリース直前の2ヶ月、ほぼ毎日鳴り止まないエンジニアからのメンション
しかし、作る前に認識が揃ったと思っても実装を始まる前に問題が起きることは避けられませんでした。当初想定していた機能の実装が想定の数倍に膨れたり、仕様の考慮漏れが見つかったりしました。
さらに、グローバルチームとしての採用は順調に進み、チームにどんどん人が増えて行っていました。嬉しい反面、仕掛かり中の機能が増えました。
その結果、毎日のようにエンジニアから仕様確認のメンションが鳴り止まなくなった。
「こういう時の挙動ってどうするの?」
「この実装難しいんだけど、仕様を決めて欲しい」
12月中旬にリリースするんだという強い目標を持っていた私とプロダクトマネージャーは、それらの確認事項を瞬時に判断して、急いで回答したり、デザイン案を検討したりしました。
なぜ12月中旬にこだわっていたのか?
それは、フィリピンは12月中旬になると多くのメンバーがクリスマスに向けて休暇に入ってしまう。
つまり数日のリリースの遅れは、3週間以上の遅れになってしまう。
また、1月をすぎると想定していたユーザーは繁忙期になるため、リリース日は必達という気持ちで開発チームは頑張りました。
そしてリリース
その後も、色々問題は発生しましたが、無事に目標としていた年内のリリースは達成できました。また、最初はベータ版としてリリースしていた機能もユーザーからのフィードバックをもらいながら改善し、今では多くのユーザーが利用しています。
当初理想としていたグローバルチームとはかけ離れすぎていましたが、グローバルチームとして初めての0→1プロジェクトを期日通りリリースし、利用者からもポジティブなフィードバックをたくさんもらったことで、グローバルチームの活躍は社内で認識されて行きました。
未来を考え、チームを作っていった
ただ、問題が起きてから対処するチームでは、今後freeeの中でグローバルチームが広がって行った時に対処できないと考えました。
その開発に関わったメンバーでプロジェクトを振り返りをしました。
振り返りの結果、「企画への巻き込み不足」と「ハイコンテキスト文化」の2点によって、グローバルチームが持つ多様な視点を活かしづらい働き方になっているということを認識しました。
例えば、グローバルチームのエンジニアとコミュニケーションを取る時、プロダクトマネージャーやプロダクトデザイナーの言語力が障壁になり、なぜ開発するのか?の背景を伝え切ることができず、要件だけを共有していたんです。結果的に、エンジニアにとって、なぜそれをやる必要があるのか?を理解しづらい状況になってしまいました。それゆえ、開発している時に微妙な認識齟齬が起きてしまって、結果的に実装後に修正が必要になったりしました。
もちろん翻訳ツールを使えば、一定のコミュニケーションが取れるかもしれませんが、そこで壁になったのがハイコンテキスト文化だと感じました。
デザインデータを見ればなんとなく、どういうものを作るかイメージできるだろう
似たような機能がfreeeの他プロダクトにあるから、それ見てもらえれば大体わかるだろう
その結果、「デザインデータ通りに実装してくれない」「エンジニアからの提案はほとんどなく、仕様についての確認だけ行われる」という問題をもたらしたわけです。
グローバルチームではなくてもあるあるな問題かもしれませんね。
結局、「リリース日を必達で守る」以外にエンジニア、デザイナー、プロダクトマネージャー以外で共通認識を揃えることができていなかったんです。
グローバルチームで抱えている状況を1人で解決していくには難しいと思っていましたが、僕はグローバルチームに入ってからずっとグローバルチームの未来を社内外で発信し続けていたおかげで、freeeの他のプロダクトデザイナーがチームに加わったり、僕のnoteを読んで共感してくれた方や国外から日本に引っ越してきた方がfreeeに入社し、グローバルデザインチームが誕生しました。
そして、チームメンバーと一緒に、freeeのグローバルデザインチームのミッションを考えました。
なぜ、日本のBtoB企業がグローバルチームでプロダクト開発するのか?それは、「より幅広い人に価値を届ける」ためには、グローバルチームが持っている多様な視点を持って取り組む必要があるからです。少なくとも私はその可能性を信じていましたし、共感してくれたメンバーもその可能性を信じてチームに入ってきました。
取り組んだこと
僕たちの場合、エンジニアとの関係を変えていきたいと思っていたし、グローバルチームにおいても、プロダクトマネージャーがエンジニアに要件だけを伝えるというプロセスを変えていってほしいと思っていました。
理想はエンジニアもプロダクトマネージャーもデザイナーも全員、ユーザーや業務フローを理解して、提供価値の認識が揃っている状態です。だから、エンジニアも一緒にユーザーにとってのコアバリューを考えて、議論に参加してほしかった。そうすれば、各ロールやバックグランドの違いから、素晴らしいアイディアが生まれるはずだと。それこそが多様な視点を活かしたプロダクトチームだと。
最高だと思いませんか?
でも、この考え方は大事なことを見落としてるんです。
あなたは、一緒に働いているエンジニアが、どんなモチベーションを持っていて、どんな強みを持っているか知っていますか?
あなたは、一緒に働いているプロダクトマネージャーが、日々どういうことに最も関心があるかわかりますか?
これらの質問に答えることができないまま、自分たちの理想を語って、開発プロセスを変えようとしてもうまくはいかないと思います。
エンジニアが、仕様について確認してくるのは、固まった仕様がないと実装できないからです。一緒に働いているフィリピンの開発チームは、freeeにジョインする前はクライアントワークをメインにしている会社でした。フィリピンでは仕様を決めるのはクライアントで、その仕様を早く実装できるエンジニアが評価されることもあるようです。
そういう環境で働いてきたエンジニアに対して、仕様を細かく確認する前にユーザー理解をしてほしいと願ったとしても、それはお互いの期待値がマッチせず、うまくはいきません。
プロダクトマネージャーは、もちろんエンジニアと企画を考えながら進めたかったはずです。でも、言語の壁で伝えられる情報が限られている中で、プロダクトの目標を達成し、リリース日を守ることを意識した中で、最善の決断だったかもしれません。
みなさんも自分が考える理想を周りの人に受け入れてもらえないという経験はありませんか?
エンジニアがデザインデータを無視して実装する
ユーザーインタビューを実施したいけど、周りがやる意義を理解してくれない
デザインシステムを導入したいけど、周りの協力を得られない
デザイナーがビジネスや経営の場に呼ばれない
あなたが感じている理想を実現していくためには、一緒に働いている相手が何に関心を持っているか?どんなことに強みを持っているか?それをまずは理解していくことが大切だと考えています。
これから、僕たちがチームと一緒にデザインしていくために大事にしている3つの考え方を紹介します。
1.好奇心を持って、楽しむ
職種が違い、言語が違って、これまで生活していた環境が違うメンバー同士がお互いのことを尊敬していくためには、まずチームで働くことが楽しいと感じることを大切にしています。
実際、グローバルチームは、freeeの中でもいつも賑わっており、Slackをみても盛り上がっています。
僕はよくタコスを一緒に食べにいったり、コーヒーを淹れたりしています。最近では、ほとんど日本人が参加している社内のバスケットボール部につれてきたりして一緒に楽しんでいます。
一緒にいる時間を楽しむことで、その後でお互いの考え方の違いや良さに気づいて、向き合いやすくなっていくと思います。グローバルチームとして働くことが楽しい、お互いのことを知りたいという好奇心が、視点の違いを活かしていくための第一歩になると思います。
一緒に過ごす時間が増えてくると面白い変化が起きます。
実装中の相談を気軽にメンションしてくれるようになったり、別のプロジェクトを担当しているエンジニアが相談してきてくれたり。
あるグローバルチームのエンジニアリーダーから、デザイナーがどのように考えているのか?チームのエンジニアも理解してほしいから、今度1時間くらいワークショップをやってよ、と言われました。
そのワークショップは自分が担当したことないプロダクトを1時間で改善案考える、しかも英語で、という難易度でしたが、かなり満足してもらえました。
グローバルチームを立ち上げた当初では考えられなかった、変化に良い意味で驚きました。
2. お互いを尊敬し、信頼する
次に大事なのが、相手をリスペクトし、信頼することです。
あなたにとって理想的な進め方があるように、一緒に働く相手にも自分が理想とする働き方があるはずです。相手の目標や理想を理解しなければ、同じ方向を向いて一緒に進むことはできないはずです。
相手をリスペクトし信頼することの大切さは、新しくグローバルチームに入社したデザイナーから学んだんです。少しだけそのデザイナーのことを紹介させてください。
彼は、freeeに入社して1週間以内にほぼ全てのデザイナーと自ら話す機会を設けていました。デザイナーだけではなく、たまたま同じ会議に参加した人、エレベーターで偶然一緒になった人。もちろん、開発チームで一緒になったエンジニア、PdM、QAエンジニアとの対話も行っていました。
その人たちとのコミュニケーションをしている中で一貫していたのは、普段どういう想いで働いているのか?なぜfreeeで働いているのか?何に関心があるのか?その人のストーリーは何か?
そして、それらの対話を通して学んだことをいつも嬉しそうに僕に話してくれました。もちろん、プロジェクトを進める中で、意見が合わないこともあったようですが、それでも相手のこれまでの考え方、やり方を尊重した上で一緒に進めていくにはどうしたら良いかを常に考えて行動していました。
また、グローバルチームらしい多様性を活かしていくには、自分と違うやり方を否定すべきではないと考えています。これまでのやり方を押し付けず、まずはチームメンバーを信じ、トライしてもらう環境を用意していくことが、お互いが持つ視点の違いを活かしたチームが作れると思います。
3. 熱狂する未来を示し、ゴールへの目線を揃える
ただ、全て自由に任せれば良いということではないと思います。
メンバーを信じて任せていく活動は組織の戦略とアラインしていく必要はあると思います。いくらチームの多様な視点を活かしたいからといって、誰も同じ方向を向かずに、ただ好き勝手やる、それは違いを活かしているのではなくて、ただのカオスです。
あなたがもし、バックグランドの違うメンバーと一緒に同じ目標に向かって進んでいきたい場合、理想的な未来を示して、一緒に取り組むメンバーを熱狂させていく必要があると思います。
未来を示し、共通のゴールに向かって進んでいることさえアラインできていたら、あとは自由にチャレンジする。そういう環境を作っていくことで、これまでにはない新しいアプローチでチャレンジできると思います。
僕がグローバルデザインチームを立ち上げてから、メンバーとはゴールへの認識は合わせましたが、その達成に向かってどのようにアプローチするかは完全にお任せしていました。
その結果、少しずつではありますが、面白い取り組みが生まれています。
例えば、今フィリピンに駐在して現地で開発チームと一緒にデザインしているデザイナーは、フィリピンで働いているエンジニアのモチベーションをまずは知ることが大事で、デザイナーの押し付けはしたくない。と言って、一人一人のエンジニアと1on1を入れて話したり、一緒にランチ行ったり、ビール飲み行ったり、たまには卓球をして、お互いを知ることにまずフォーカスしていました。
そのデザイナーがフランクにやってみたいと言ったことを、チームのみんなもよいねー、やろう!という雰囲気になりやすかったそうです。
最近日本の事務作業をフィリピンのエンジニアと一緒に体験するワークショップをやっていました。これが日本のペーパーワークか?って感じで業務体験中はかなりしんどそうな顔をしていたらしいですが、結果的にその業務を楽にするための改善案も1日で40個近く生まれたそうです。
また、チームメンバーからの反応もがよく、フィリピンの別の開発チームでも同じようなワークショップをやって欲しいというリクエストをもらったそうです。
このように、目指したい方向性さえアラインできていれば、僕1人では思いつかないようなアプローチで、新しい取り組みが自然と生まれていくと思います。
まとめ
好奇心を持って、楽しむ
お互いを尊敬し、信頼する
熱狂する未来を示し、ゴールへの目線を揃える
グローバルチームがより多様性を発揮しやすい環境を作るために意識していたことですが、結局日本の開発チームと働くときにも同じ目標を向いて進んでいくためには大切な考えだと思います。
まとめとなりますが、あなたがデザイナーとして、
もしも、デザインシステムを導入したいなら?
もしも、ユーザーリサーチを実施していきたいなら?
もしも、ビジネスや経営の場に関わっていきたいなら?
アジャイルを推進したいなら?
社会をより良くするために、今のやり方を変えていかければならない。これらはもちろん全て必要だと思います。でも、デザイナー目線だけで考えてはいけない。
最終的に今のやり方を変えて変化を起こすことは1人ではできない。だからこそ、相手を理解して尊重しよう。相手を知り、楽しみながらやろう。同じ未来に向かってアラインしながら進めていこう。
僕は、この考え方が不確実性の高いこの時代において、社会をよりよくしていくために、「一緒にデザインしていく」、という上で大切になると思っています。
以上で、発表を終わります。
ご静聴ありがとうございました。
おわりに
本セッションでは、グローバルチームを立ち上げてからの学びをマネージャー目線で共有しましたが、2023年12月12日(火)の19時からfreeeの東京オフィスで、グローバルデザインチームのメンバーと一緒に、実際のところグローバルチームで働いてどう?というテーマで話そうと思ってます。
興味がある方はぜひそちらにご参加下さい!
freee Designers Advent Calenderの、あしたの担当はhiroさんです。お楽しみに。
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