試合でしか成長しない

私は練習試合で必ず全員を起用することを心がけています。それも、ただ試合に出すだけでなく、必ずその選手の専門のポジションで起用することを心がけています。

現在、私が指導するチームには2年生4名、1年生5名の計9名の選手が所属しています。そのうち1年生、2年生にそれぞれ1名ずつ中学からバレーを始めた子がいます。ですが、そのうち2年生の子はスタメンとして起用しています。私が練習試合で全員を出場させる理由は大きく2つあります。

1つ目は、「選手は試合でしか成長しない」からです。練習をコツコツ積んでいくことも必要だと思います。ですが、子供たちにその練習の成果であったり、腕試しができる機会を与えること、これが1番大切であると考えています。試合をしていく中で、「前までできなかったことができた」、「練習ではできてたけど試合形式になったら上手くいかなかった」など、試合をしていく中でしか得ることができないものが必ずあります。その機会を全員に与えることが必要だと思います。その練習試合で感じたことが必ずその翌日からの練習に活かされます。それがあるかないかでその後の練習の質や子供たちのモチベーションにも変化が出てきます。人数が多いチームとなってくると難しい部分もあると思いますが、そこは何らかの工夫をし、丸々1日練習試合をしているのに1試合も出場機会を与えてもらえない子やサーブのみの起用しかしてもらえなかったという子を出さないようにしなければなりません。

2つ目は、「みんなが同じ土俵で話をするため」です。どういう事かと言いますと、私は練習試合が1試合終わるたびに必ず子供たち同士ですぐにそのセットの気づいた点の話し合いをさせます。その中で、必ず全員が同じ立場で話し合うことが必要だと考えています。話し合う内容は主にコートの中での出来事。だけど試合に全く出れない子やピンチサーバーのみで起用される子はなかなかその話し合いに参加できません。何を話しているのか、どの場面、どういった状況の話が行われているのか全く理解できないのです。理解ができていなければその話し合いの中で発言をすることもできません。そうなってくると、いつしか話し合いの場にはいるけど頭は動いていない状況が発生してしまいます。自分のチームの中での存在価値というものもわからなくなってしまいます。その状況をなくすのは我々指導者の役割です。常にコートの中で起用しレベルアップをさせると同時にチームの話し合いにも参加し全ての選手が同じ戦術やチームが抱える課題を頭の中にセットしてバレーボールをしていく、それが大切だと考えています。


とは言ったものの、まだまだスタメンとして起用している選手とリザーブという形で起用している選手には大きな技量の差があります。なかなかその差を埋めることができていないのが現状です。理想はどの選手がスタメン起用されても安定したレベルで戦えることです。チームの底上げをし、また選手たちみんなが気づいたことを同じ立場で言い合えるようなそういうチームを作っていきたいですね。ですが、第1は「バレーを楽しむこと」。まずは試合をたくさん経験していく中で、「楽しみながら成長」していくとを私は1番に望んでいます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?