哲学も一貫性もないガンバサッカー

遂に今年初めてガンバ大阪がリーグ最下位に転落しました。転落といっても一気に下がったというわけではなくて、ずっとブービーだったのが一段だけ下がっただけなのですが、上り調子の横浜FCに抜かれての最下位ですので、脱出には時間がかかりそうです。

日曜の浦和レッズ戦は、過密日程の相手に対して前半は守備に回る時間が多いもののそれほど悪くは無かったのに、後半ガタッと落ちて相手に圧倒されました。

攻撃できない攻撃サッカーには何の意味もありません。相手が強いからとかいう話でもないでしょう。クラブに根底にあるべきフィロソフィーが確立していないから、攻撃も守備も何も出来なくなっています。

攻撃サッカーに憧れる人は多いのですが、一番重要なのは勝つことで、勝利の可能性が高い戦術を選ぶことはその次です。そのために攻撃する時間が長ければ、得点の可能性が高く失点の可能性が低くなるので、勝利する可能性が高くなります。

しかし、一番重要なことはあくまで勝つことであり、自分たちが試合において主導権を握って思い通りにすることが大事なのであり、ボールを持っている時間が長いことが目的になってはいけないのです。ボールを持つ時間が長くてもカウンターで失点するなら、主導権は相手にあります。5月3日のセレッソ戦はまさにその典型でした。

逆に、守備の時間が長いことと、相手に主導権を握られることは違います。2014年~2016年、及び2020年のサッカーは、明らかに前者であり、最終的には勝つ試合が多かったのです。

多分、今のガンバが昨シーズン末の松田体制下のガンバと戦ったら、カウンターで3点くらい取られて負けるでしょう。

今シーズンは、前半は悪くない&失点するまでは悪くないサッカーだった試合がいくつもありました。しかし終わってみれば13試合で1勝という結果しか残っていません。

ミクロ的に見れば、敗戦はポヤトス監督と今いる選手たちの責任ですが、どう考えてもマクロ的にクラブの上層部の問題です。

クラブ側が監督に対して、クラブがやるべきサッカーの方向性まで全部お任せにしていたら、何年経っても積み重ねなど出来ません。監督にクラブのあるべき姿の構築まで任せているから、監督交代も遅れてしまいます。というか、監督に対する評価の軸がそもそも存在していないようにも見えてしまいます。

この攻撃サッカーは、ガンバの攻撃サッカーではなくてあくまでポヤトス監督のものであり、本当に根付くかどうか分かりません。もし成功してポヤトス監督のもとタイトルを獲ったとしても、監督が代わったらまた一からやり直しになるでしょう。

ガンバとはチーム状況もカテゴリも異なりますが、清水エスパルスが昨年からずっと混乱したサッカーをしていたのに、ゼリカルド監督更迭・秋葉監督就任からガラッと変わってJ2で相手守備陣を破壊する試合を続けています。

今年いつまでポヤトス体制を続けるか分かりませんが、もう、更迭のXデーは近付いています。近いうちにスポーツ紙が更迭や次期監督候補の話題を載せ始めるでしょうね。

もちろん、次の試合からガラッと変わって勝ち続けてくれるのが一番良いのですけれど・・・。

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