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将棋の評価値を出す中継のように、サッカーのポジショナルプレーによるゴール期待値を中継で出してほしい

将棋の竜王戦の第4戦が一昨日・昨日と行われ、藤井聡太3冠が4連勝での竜王奪取となり、史上最年少4冠を達成しました。

昨日の2日目は朝から見ていましたが、ABEMA TVでの評価値が最初は藤井3冠優勢、途中で豊島竜王が逆転し、私が夕食を取って戻ると豊島10−90藤井になっていて混乱しました。結局そのまま押し切って竜王の投了となったのですが、感想戦前のインタビューで豊島九段が、途中での評価値での優勢状況は認識していなくて、ずっと自信が無かったと言っていたのが印象的でした。

もちろん、そもそもAIによる評価値が絶対的な基準ではありません。あくまで対局者二人で全てが決まりますので、優勢に気が付かなければ優勢ではないのでしょう。

ABEMA TVとAIによる評価値は、確実に将棋ファンを増やしたと思います。将棋の駒の動かし方を知っている人はいても、盤面と解説だけで有利不利などの状況を判断出来るほどのファン・視聴者は多くはありません。それを評価値という分かりやすい指標で見せることで、見るエンターテインメント性を大きく高めました。

この評価値については、必ずしも正確ではないとか、将棋の本質から離れるとか、色々批判はあります。見る方も、あまり評価値を気にしすぎない方が良いのかもしれませんが、玄人・素人の枠を超えて将棋を見て楽しむ知的スポーツとして成立させた立役者ではあると思います。

さて、サッカーではここ数年、ポジショナルプレーという言葉、考え方、コンセプトが大流行りです。

ボールがある場所とそれに合わせた選手のポジショニングによって、攻撃にしろ守備にしろ自分たちの有利に運ぶようにするものという理解をしていますが、考え方にしろ、その実践にしろ結構難解です。

ともかく、ポジショナルプレーを俯瞰でみれば、ボールの位置と選手のポジションによって、その瞬間のチームの有利不利が決まることになります。

将棋の一局面と比べると非常に瞬間的な場面ですが、高速化したコンピュータによる計算によって、その瞬間での優勢さを評価値のような数値で表すことも出来るでしょう。その場面で次の展開、次の次の展開と連続して予想すれば、ゴールする可能性をゴール期待値として画面に表示されれば、サッカーに疎い人でも面白く見られるのではないでしょうか。将棋に比べると一つの場面が維持される時間は刹那ですが、コンピュータの処理速度がずっと高速化していけば、いずれは可能になるはずです。

サッカーファンの高齢化とか、人気低下とか色々言われますが、サッカー中継自体が大して代わり映えがないことも一つの原因かも知れません。こういう評価値を出すとか、あるいはボールホルダーの名前がリアルタイムで切り替わるとか、俯瞰の映像も小窓に出しておくとか、面白いことやってくれませんかね。

サッカーファンは映像を見て、ある程度画面外の選手の動きも想像します。贔屓のチームならこの辺でここからこの選手が出てくるはず、という予測も出来ます。しかし、そのチームに詳しくない人、さらにサッカーに詳しくない人には、映像だけでは訳が分からないまま試合を見続けることになりかねません。

すぐは無理にしても、また全てのサッカー中継でなくても、そういったチャレンジはしてほしいですね。DAZNでは日本代表戦で他の固定カメラを使った裏実況とか、普通のリーグ戦でのスタッツ表示とかやってくれています。

日本代表のワールドカップ予選のアウェイ戦がテレビ放送が無いことについては、昨日書きましたが、

サッカー人気の問題というよりも、放映権料が上がりすぎたことが問題です。とはいえ、サッカー人気が高まっていないことは理解しています。ですので、ホーム戦でのワールドカップ予選中継で、何かチャレンジしてくれませんかね。

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