「いつもニコニコ現金払い」が不便な時代が来る

そう言えば、
「いつもニコニコ現金払い」
って言葉を聞かなくなったなと思いました。

調べてみると、NHK人形劇「ひょっこりひょうたん島」が元ネタらしいですが、その元ネタの元ネタとしては、昭和の頃は掛け払い・ツケ払いがまだ多く、現金払いの客は歓迎されたことにあります。

個人が店舗での購買時にツケ払いする以外にも、企業間取引でも掛け払いは一般的でした(今もでしょうけれど)。商品を引き取った日後の締日にかかる支払日に、手形や小切手(特に先日付のもの)を渡すので、現金化できるのは商品を引き渡してから数ヶ月後です。

つまり、現金払い以外の決済手段では、基本的に受け取る側がその決済手数料か、支払いサイト(受け取ってから現金化までの期間)間のリスクを負担するため、現金払いの方が店は助かることになります。

思えば、一般的な社会人、サラリーマンなどの勤め人だって、労働した日から給料受取日までの期間があるので、掛け払いで給料を受け取っているようなものですね。

ともかく、いつの世も掛け払いより現金払いが歓迎されてきました。現金払いが嫌がられたのは、あまりに高額で店側が現金を扱えない場合(不動産や自動車など)とか、頻繁な少額の支払いがあるようなケースくらいでしょう。

しかし、徐々にキャッシュレス決済が普及してきた現代において、現金を扱わない店舗も出てきました。銀行での硬貨両替手数料の値上げにより、釣り銭の準備にも経費がかかるようになってくると、現金払いが店の負担になるケースもあり得ます。

今はまだ、完全キャッシュレス化した店というのは少ないですが、埼玉県の免許更新手続きのように現金払い不可の公的機関も出てきたくらいですので、民間レベルでもキャッシュレスに特化する店舗も増えてくるでしょう。

現金を扱うことのデメリットとしては、
・釣り銭の準備が必要
・客が出したお金のカウントが必要
・カウントが間違っていた場合に後でレジのお金が合わない
・強盗や盗難の危険性
・現金の預け入れ作業が必要
といったところでしょうか。

レジに時間が掛かる点については、PayPayなどのQRコード決済の方が、発達しきった現金払いフローよりも遅いため、あまりデメリットとは言えないでしょう。QRコード決済はテクノロジーとしては半分アナログですしねえ。

カードのタッチ決済がもっと普及して、電子マネーと合わせてキャッシュレス決済した方が、支払う側も受け取る側も便利になってくるのでしょうけれど、まだ時間はかかりそうです。

給料のデジタル払いも認められるようになりましたが、あれに参入するための企業に課される条件が結構厳しくて、企業側にメリットあるのかなと疑問にも感じます。その辺のハードルを下げると絶対ヤバい企業がやらかすでしょうから仕方ないですが。

デジタル日本円が実現するのを待つしかないですかね。

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