将棋とAIについての個人的感想

世間では福原愛さんの子ども連れ去りを巡る問題が注目されていますが、同じような離婚後の子ども連れ去り問題において、元将棋のプロ棋士だった橋本崇載さんが殺人未遂で逮捕される事件があり、将棋もそこそこ好きな私にとっては大変残念な話となってしまいました。

ハッシーと呼ばれ親しまれていた橋本容疑者ですが、数年前にプロ棋士を辞めて、離婚後に会えなくなった我が子を取り戻すと宣言するYouTube動画を出した時には、
「はー、そうなんや。大変やなあ」
というくらいにしか思いませんでした。

その後、色々なことがあったようでその辺は全く存じ上げていませんでしたが、今年に入って名誉毀損で逮捕、判決も出た後に今度は元妻とその父に対する殺人未遂での逮捕ということになってしまいました。

事件の詳細や親権の在り方についてはまた別の話となりますが、この事件絡みで思い出したのが、かつて橋本氏が、
今の将棋はAIの考えた好手をあらかじめ出来るだけ覚えて指すだけのゲームになっている、
云々と言っていたことです。

時代が進めば定石が累積され、さらにAIの普及により個人レベルでも実質無限にパターンを展開することが出来るようになった以上、今はまずAIなら当然に指す手を覚えるのは必須なのでしょう。

しかしそれが全てということではなくて、それが最低限から始まって、やはりこれまで通りに人間同士の戦いになるのであれば、AI同士の対戦では起こり得ない罠、トラップ、心理的作戦を仕掛けるメリットはあるはずです。

素人の個人的感想に過ぎませんが、藤井七冠のタイトル戦を見ていると、終盤の分読み場面ではかなり相手に罠を仕掛けているような気がします。まさかという手によって逆転することもあり、そうなると人間同士の対局である以上は、AIゲームとも言えないでしょう。

もちろん、序盤がAIと同じというか、AIの手を覚えておくのが常識レベルになってきているのでしょうけれど、お互いに完全にミスをしなければ決着はつかないのであり、どこかでミスをして勝敗が決まる以上、結局は最後は心理戦でもあります。時間という制約があるからこそでもありますが、時間制限に工夫をすれば、AIが発達しても人間的対決の要素は無くならないんじゃないでしょうか。

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