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クラウドファンディングというビジネスモデルは今後も残るか

クラウドファンディングの大手、Makuakeの売上予想が大幅に下方修正されたというニュースが先日ありました。中国で既に売られている商品を、画期的な新商品であるかのように装って出資を募るプロジェクトが出てきて問題視されたことも影響しているのかも知れません。

クラウドファンディングというビジネスモデルは面白いのは確かですし、本当に売れるかどうか分からない商品・サービスを本格的に売り出す前のお試しとしては、企業側も消費者側もメリットがあるものです。

とはいえ、前述のような詐欺的プロジェクトが出てくると、クラウドファンディング自体の信頼性が揺らいできます。もちろん、商品販売だけではなく、寄付や社会貢献的なものも多いですし、そういったものは中国でのECサイトどうこうといったことは関係ありませんので、それこそがクラウドファンディングらしいものになるのでしょう。

クラウドファンディングで新開発の、ヒットするかどうか分からない商品を企業がプロジェクトとして発表するのは、良い宣伝手法でもあると思います。とはいえ、大企業ならそれなりの金をかけて頑張れよ、と思わなくもないのですが。

クラウドファンディング自体は、もともとは寄付や社会貢献的なもの形が歴史的には続いてきました。それこそはるか昔の寺院建立のための布施なんかもそうです。社会的な事業に関して大金を広く群衆から集めるのがその由来であり、元来は企業が商売のために行うものではなかったのですが、今では新商品をとりあえずクラウドファンディングで出してみるという風潮があるのは否めません。

新しいビジネスモデルや商品が、当初の思惑とは異なる形で普及していくのはよくあることです。それはITビジネスでも同じで、Twitterの創業者はここまで誹謗中傷やデマがTweetされるとは思っていなかったでしょうし、リツイート機能を実装したことはずっと悔やんでいるそうです。Yahoo!ニュースのコメント欄も以前よりは制限がかかるようになりましたが、あの機能を付けた人もあんな阿鼻叫喚の無法地帯になるなんて思っていなかったでしょう。

クラウドファンディングだって今のITビジネスにおいて表に出てきたときには、地方の零細企業の優れた商品や、支援を広く求められない困難なボランティア活動などへの支援が中心でしたが、あっという間に大企業が乗り出してきました。

資本主義社会である以上、それは仕方のないことではありますが、冒頭のようなクラウドファンディング自体が信頼されなくなるような問題が放置されていたら、かつてのペニーオークションのように消費者から拒否されて無視されるビジネスモデルになりかねません。

そうなったらなったで、
「衰退したクラウドファンディングというビジネスモデルを支援してください!」
というクラウドファンディングを立ち上げれば良いんですかね?

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