DAZNの値上げという想定内な来たるべきショックを迎えて

JリーグファンとしてはもはやかかせないサービスとなったDAZNが、急な値上げを発表しました。発表後は当然ながら値上げに対して批判的な、ネガティブな意見もネットで散見しましたが、そもそも市場独占→値上げというのはよくあるパターンで、DAZN値上げは容易に想像できる話でした。

DAZNは日本国内ではJリーグとの国内契約を皮切りに、多くのプロスポーツをコンテンツとして抱え込むようになりましたが、実は離れたスポーツもいくつかあります。

放映権料としてそのスポーツのリーグ団体や協会などに多額の収入をもたらす代わりに、そのスポーツのファン層に負担を強いることになります。どちらが良いかはそのスポーツの団体が決めることですが、ファン層には嫌がられます。もちろん、その収入がスポーツの普及や繁栄につながればファン層には認められるものですので、契約次第でその契約をまとめたスポーツ団体幹部の毀誉褒貶が上下してしまいます。

とりあえず、Jリーグに関してはリーグ戦は全てDAZNの管理下にありますので、サポーターとしては視聴契約を続けざるを得ません。月3000円でもまだかつてのスカパー!国内サッカープランと同等ですので、そんなに多くの不満や契約解除は出てこないと思います。私はガンバ大阪オンラインショップ経由で購入した年間コードを使ったところですので、値上げを食らうのは1年後ですが、1年後には確実に値上げになるわけですから、それはそれで言いたいことはあります。

事実上50%も値上げするなら、ルヴァンカップや天皇杯の中継もしてほしいものです。コアサポとしては、試合中継があるなら実況や解説や多数のカメラが無くても、カメラ1台で場内音声だけでも別に良いのですが、そう言う訳にもいかないのでしょうか。JFLの関西サッカーリーグのYouTube中継はそんな感じなのですが。

キチンとしたコンテンツを提供しないといけないと、クレームもあるのかも知れませんが、値上げをしたのに試合数が変わらないのはそれはそれで個人的にはクレームを付けたくなります。なんなら、Jリーグのエリートリーグや全日本ユースや高円宮杯プレミアリーグを流してほしいくらいです。

ともかく、コアなファンはなんとか付いていくでしょうけれど、ライトなファンでは月3000円だと出せない人も多いのではないでしょうか。NetflixやAmazon Primeなどの動画配信サービスの競合他社の価格を考えると、相当に高いと感じる消費者も多いでしょう。

それこそ、スカパー!みたいに、Jリーグ・サッカーコンテンツだけ見られるプランとか、自分で見たいコンテンツを選んで個別に課金されるプラン、あるいは同時視聴1台のみ利用可能な安いプラン、など値段を下げるようにしないと、一気に離れて違法視聴が増えてしまいかねない懸念もあります。

そう言えば、かつてのスカパー!オンデマンドでは、同時に何試合でも見ることが出来ました。スマホ・タブレット・パソコンで同時に4試合くらい見ていました。今の2台同時視聴は制限としては微妙なところですが、月3000円なら結構なサービスをしてほしいものです。

特定のスポーツに特別な興味を持っている人と、色んなスポーツを幅広くなんでも見たい人のどちらがDAZN加入者として多いのでしょうか?

私を含むJリーグクラブのコアサポは、見られるスポーツを増やして欲しいのではなく、そのスポーツ内でのコンテンツ増加と機能の充実を求めているだと思いますが、DAZNにしてみれば、スポーツを増やせばそのスポーツファンをごっそり増やせるという思惑もあるのでしょう。

新規ファン獲得も難しくなります。せめて、毎節一試合だけでも無料放送を確実にしてもらいたい気もします。言い方は悪いですが、10年後や20年後のサッカーファンの数をDAZNは考えてはいないでしょう。ファンが減っていれば次回の放映権契約を結ばないだけです。放映権契約終了後にサッカーやどこかのスポーツのファン層が焼け野原になっていても大してDAZNは損はしないでしょう。

DAZNから得た大金をJリーグや各クラブが新規ファン獲得にも費やしてこそ、大型契約の意味があるでしょう。この2年は苦難の道のりでしたが、今年からはなんとか頑張ってほしいものです。

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