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Coinhive事件はWinny事件とも異なるけれど、どちらにせよWeb3.0の端緒と言えるかも知れない

Coinhive事件が最高裁判決によって無罪という結果に終わりました。難しい司法判断の是非、そもそもの逮捕の是非については法律論上どうなのかは素人にはまるで分かりませんが、今回のこのCoinhive事件をかつてのWinny事件になぞらえて、日本におけるソフトウェア・ウェブサービスに対する検察・司法の無理解の証明のように言う人もいます。

ただ、個人的には他人が作ったコードを利用(悪用)していた今回のCoinhive事件と、Winnyを悪用していた人に加えて開発者まで逮捕されたWinny事件を同一視するのはいかがなものかと思います。

今回のCoinhive事件で無罪になったことそのものは私には難しすぎて何とも言えません。ただ、サイト閲覧者に無断で仮想通貨を採掘するコードを紛れ込ませていても、サイト作成者の罪が問われないことになりますと、日本人をターゲットにしたサイトでクリプトマイニングが蔓延しないでしょうか?

欧米各国ではマイニングスクリプトが非合法とされていますが、日本ではこの最高裁判決によって事実上合法と見なされることになります。違法と見なす法律が出来るまでかも知れませんが、いつ出来るんでしょうね。

まあ、有名どころのホームページなら、クリプトマイニングがバレると炎上必至ですのでやらないでしょうが、個人向けのアフィリエイトサイトなど収益最優先のページなら、仕込まれていても不思議ではありません。

自分のパソコンやスマホの処理能力を、見ず知らずの人に明け渡したくないというのであれば、当面は自衛するしかありません。ブラウザの拡張機能でクリプトマイニングをブロックするアドオンを入れたり、あるいはセキュリティソフトでブロック出来るものもあるはずです。

ただ、NortonやAviraが仮想通貨マイニング機能を強制的に追加してくる時代です。Coinhiveのような、ブラウザでサイトを訪れたときに利用されるよりもこっちの方がよっぽど酷い話だと思いますが、利用にあたってはユーザーが自ら機能をオンにするオプトイン方式が採用されているから問題ないのだ、という理屈もなかなか肝が据わっていますよね。

分散化・ブロックチェーンが中心となるWeb3.0が話題になり始めていますが、これからの時代は分散処理が一般個人のPC・スマートフォンで日常的になるのでしょう。合法か違法かはともかくとして。

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