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ヘディング議論再び

イギリスで再び、サッカー選手がヘディングで深刻な脳障害を受けるというニュースが再燃してきたようです。

医学上の見解の妥当性は素人には全く分からないですが、実際にそのような問題があるのであれば、何らかの対応はせざるを得ないでしょう。

ヘディングに関しての何らかのルール変更に対して、賛成するとか反対するとかという気持ちの問題ではないと思います

昔は革のボールで、雨や汗の水分を吸うと重くなってヘディング時の衝撃も大きかったそうですが、一方で現代ではダイナミックでエキサイティングなスピード感を出すためにボールが固くなっている面もあります。衝撃の大きさではそれほど変わりがないかも知れません。

また、トレーニング技術の進歩により筋力が向上し、プレースピードも上がっています。それにより、ボールがぶつかった時の衝撃もさることながら、競り合い時の頭と頭、あるいは頭と足がぶつかった時の衝撃もかなり危険です。少し前からのJリーグファンなら、FC東京時代のルーカスが試合中に味方選手と激突して救急車で運ばれたシーンを覚えているでしょう。NHKBSでも放送されていて、救急車がピッチに入ってきて搬送されていきました。激突したもう一方のジャーンがずっと泣いていたのが印象に残っています。

そこまでは行かなくても、競り合いで流血するのは毎節どこかの試合であるような気がします。

明確に選手にとって危険があるなら、ヘディングに対しての規制は当然でしょう。スタジアムは、古代ローマ時代の闘技場ではありません。選手の危険性が立証されているのに、昔からそうだというノスタルジーや、サッカーファンとしての楽しみの方を優先させるわけにはいかないでしょう。

時代によってルールは変わるものですし、昔は許されたルールが時代によって禁止されるというのもおかしなことではありません。ボクシングだって昔は素手で殴り合っていましたが、あまりに死者や重傷者が出すぎたために大きなグローブが必須となりました。それでも時々、残念な被害が出ています。

サッカーでも危険性からのルール変更はあっても仕方の無いことです。

とは言っても、いきなり来年からとかルールで強制的にヘディング全面禁止、というのは難しいでしょう。というか無理でしょう。ヘディングの強さでならしている選手にしてみれば収入や生活に関わる問題です。

せめて決定から数年後ということになるでしょうし、フィールド全てでヘディング禁止というのも変化が急すぎます。

例えば、ペナルティエリア内だけでのヘディング禁止だけでも、それなりの危険性の排除という効果はあると思います。ゴール近くの場所ではどうしても競り合いも激しく、ボールに目が行って周りが見えなくなりがちです。

逆に、ペナルティエリア内だけはヘディングを認めるというのはどうでしょうか。そうすれば今、ヘディングを武器にしている選手は契約を残せるはずです。エリア外のセンターライン付近でも高いボールの競り合いで危険なシーンはありますので、そこでの危険性は無くせます。

トッププロではルールの適用は探り探りで毎年のように変更せざるを得ないでしょう。しかし、これもボクシングの例になりますが、ボクシングでは若年層・女子選手はヘッドギアの着用が必要ですので、サッカーでも若年層や女子サッカーでは少なくともヘッドギアは採用して良いと思います。

ちなみに、アマチュア男子ボクシングではヘッドギアを利用して突き出したり、危険回避の危機感が無くなったり、逆に的になりやすいという理由でヘッドギアが禁止になりました。

サッカーでもヘッドギアを利用してのプレーというか、かえってわざと頭を使っていって逆に危険が出てくることもあるかも知れませんので、トッププロでの採用はすぐには難しいでしょうね。

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