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2019年Jリーグルヴァンカップ第2節ガンバ大阪対松本山雅FC観戦記

大阪は強風に見舞われ、昼間には大阪モノレールがそのために一部区間で徐行運転するほどでしたが、夕方になると風は少し弱まりつつもその分寒さが増してきました。気温低下と強風により体感温度は真冬並みに感じられたこの日、ルヴァンカップ第2節としてパナソニックスタジアム吹田において、ガンバ大阪対松本山雅FCの試合が行われました。

リーグ戦と異なり平日夜のカップ戦では客入りが少ないので、美味G横町での購入がしやすいという利点があるため、夕食をゆっくりスタジアムで摂ろうとほぼ開門時間の17時30分ごろに到着しましたが、「寒い!」

とりあえず、藤春選手オススメの「春爛漫!えびのかき揚げうどん」を購入して自席にて実食。美味しい。かき揚げが素晴らしい。

しかし寒い。あっという間にうどんの汁が冷めていきます。寒い中に冷めたうどんを食べるのは嫌なのでさっさと食べ終わりました。

さてスターティングメンバーの注目はDFラインです。三浦、菅沼、キム・ヨングォンと3人並べてきましたがどうするのか。三浦の右サイドバックか3バックか。

そしてもう一つの注目はおそらくボランチに入る高宇洋。これまでの試合では満足どころか及第点を取れる試合も無かったと思いますが、果たしてどうなるか。

キックオフ直後にガンバにビッグチャンスがあったものの、わずか6分で試合はすぐに逆に動きました。90分通じて不安定だったキム・ヨングォンが左サイドで上がりすぎたところにロビングボールが上がり、ヨングォンが中途半端なヘディングで松本ボールとなり、さらに自陣深い位置でのルーズボールに藤春がためらって対応出来ず、中央に折り返されてのシュートに倉田がハンドを取られたフリーキックを直接決められて先制される、というどこかで止めるところがあっただろうと後悔したくなるような失点でした。前述の通り、監督の支持なのか自分の判断なのか分かりませんが、今日のキム・ヨングォンは位置取りがかなり高めでした。攻撃の組み立てに関与するためなのか相手の攻撃を押し込むためなのか、結局のところ効果的とは言いがたく、また個人レベルでのミスも多かっったため、チームにフィットしている状態ではありません。この状態が今後の試合でも続くのであれば、宮本監督がスタメンから外す決断を下してもおかしくないかも知れません。2008年の水本のようなことにならなければいいのですが……。

しかしこの日はこれまでとは見違える動きを見せる高宇洋が相手のチャンスを摘み取り続けます。パスコースを遮ってボールを奪い、ボールを持った相手に正確にプレスをかけ、DFラインから中盤にかけて中短のパスをつなぎ続けて試合のリズムを作っていきます。松本がターンオーバーしてきたこともあるのでしょうが、このレベルで守備が出来るのであれば今後も間違いなくトップチームで出番はあるでしょう。まさに覚醒という出来でした。

そして高の守備によって松本の攻撃が寸断され続けるのを確認したからか、相方の遠藤がほぼフォワードのようなポジションに入りファン・アデ・ヤットの3トップのような形になります。ガンバで遠藤がFWに入る時というのは概してチーム状況が良くない時なのですが、まさにこの試合では良くないチーム状況を立て直すために前線に陣取った感じでした。サブメンバーの松本DF陣は、この老獪なフリーマンのふわふわ漂いつつも相手の嫌なポジショニングを取り続ける動きについていけません。守備の高と攻撃の遠藤でガンバがピッチを制しはじめます。

遠藤が上がったことで高が中盤で一人残る形になりますが、運動量が多い倉田と小野瀬が攻守にスペースを埋め、アデミウソンがしばしば下がって攻撃の組み立てに参加するのでボールは回り続けます。J1のリーグ戦ですとここまで上手くはいかないでしょうが、上手くいっているうちにゴールが生まれます。

前半31分にガンバ右サイドで三浦の縦パスが相手に当たったところを小野瀬が詰めて奪い、高い位置にいた遠藤がすかさず最前線のウィジョに送り、短いラストパスを小野瀬が冷静に決めて同点に追いつきます。遠藤が前にいることで分厚いショートカウンターが実行できたという結果となりました。

さらに34分に同じようなショートカウンターが見事にはまります。中盤で相手の不用意な緩いパスをアデミウソンが身体を強く当てて奪い、ドリブルで持ち込んで後ろからきたウィジョに渡してしっかりウィジョがゴールを決めました。この時のウィジョはカウンター発動時にも相手を押さえ込んではじき返し、ゴールシーンでも相手のチャージに耐えて落ち着いて流し込みました。2トップのフィジカルコンタクトの強さが明らかに出たシーンでした。

結局この後は両チームともゴールは生まれず、2-1でガンバの逆転勝ちとなりました。60分以降ガンバ側の雑なプレーが続いて嫌な時間帯になりましたが、この試合の松本のメンバー相手には何とか追いつかれずに済みました。しかしあのような緩んだ時間帯はリーグ戦だと命取りになるでしょう。

ガンバの選手交代がかなり遅めでしたが、戦術的な理由で替える理由が無かったのもあるでしょう。交代で入ってきた3人は渡辺、藤本、今野というベテランで、明らかに試合をクローズさせる目的でしたが、3人とも無事ミッションを終えて何事も無く試合終了出来ました。

ガンバがほぼベストメンバー、松本がほぼサブメンバーということで勝ってもらわないと困るというのがガンバサポーターとしての気持ちですが、勝てたことでチーム全体の良い雰囲気を保って日曜の川崎フロンターレ戦に臨んでもらいたいと思います。

そしてこの試合のマン・オブ・ザ・マッチとしては高宇洋を挙げたいです。ゴールを決めた小野瀬、ウィジョはもちろん、アデミウソンも遠藤も良かったですが、これくらいのプレーはやって当然という実績がこれまである選手達です。高宇洋はこれまでの試合で苦しいプレーで悔しい思いをしてきたでしょうが、このパフォーマンスなら試合に出て当然というプレーでした。若いときの(今でも若いですが)井手口の最初の頃を思い出しました。まだまだ今野が本来のレギュラーではあるでしょうが、コンディションが良くないときは高が出るというケースが今後も続くでしょう。

一方、鳴り物入りで加入したキム・ヨングォンですが、まだまだ本来のパフォーマンスにはほど遠いはずです。今後も試合は続くのでフィットするチャンスはありますが、左膝にガチガチに巻いているっぽいテーピングが気になります。左足を軸にして右足で強いボールを蹴るシーンがほぼ無いので、いくら左利きとはいえプレーが窮屈すぎます。フィジカルの問題であれば回復すればもっと良くなるのかな……。

今後のガンバへの期待と不安が入り交じった試合でした。そしてかき揚げうどん美味しかった。

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