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人の生き死にに関わり始める官公庁発のシステム開発

新型コロナ陽性者接触確認アプリのCOCOAに引き続き、ワクチン接種サイトのシステムでも大きな問題が報道されました。

報道に当たっての取材手法や公開などについては色々批判もありますが、ともかくまともなサービスを政府・行政側が発注出来ていないのは今回に限らず大きな問題です。

受注した側のシステム開発能力も推して知るべしではあります。発注側と受注側があれこれよからぬことを考えて癒着しているのであれば、システムどうのこうのというレベルではないのですが、発注側がシステム開発に当たり、必要な仕様の策定とテストの設定が出来ていないのは間違いないでしょうね。

今時の官公庁にはコンピュータに疎い人などは世代的にかなり少ないはずなのですが、上の方で権限を持っている人がダメなのか、組織の在り方的にシステム開発に向いていないのか、検証とか再発防止とか出来るのでしょうか?

システム開発については、ゼネコンや建設関係の業界とよく比較や例えがされます。多重下請け構造とか労働者保護などの分野ではIT業界の方が建設業界ほど保護や監督がされてないように思えますが、まだ業界として新しいからでしょうか。

例えば、官公庁が発注する土木工事・建築工事で、まともに使えないものや危険なものが出来上がったら大問題になるはずです。昔は合ったのかも知れませんが、現代日本では様々な規制・法律や監督機能によってそういうこともまずありません。

10メートルの幅で1キロメートルの道路を作る仕事で、8メートルの幅で900メートルの道路工事して終わったら、その会社は二度と官公庁の仕事を受けられないでしょう。それ以前に大きなペナルティーがあるはずです。

広報のためのホームページ、法律の条文を表示するシステムであれば、間違いや不具合が問題なのは問題ですが、それでも人が死ぬわけではありません。どうしてもIT関係、特にウェブシステムなどは大目に見られてきたのかも知れません。官公庁側にチェックする人自体がいない可能性もあります。

しかし、このコロナ禍でのCOCOAやワクチン接種システムについては、不具合を放置し続けていれば、人命に実害が出る可能性があるものです。徒やおろそかに出来るものではないはずですが、作る側も作らせる側もあまり緊張感はないのでしょうか。

もちろん、現場の最前線にいる人は大変な思いをしているでしょうけれど、実際に契約をまとめる雲上人にとってはどうでもいいことなのかも知れませんね。

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