人工知能は人工「頭脳」ではない

人工知能、AIは基本的に人間の頭脳を超越してあらゆる多くの処理をこなすことが出来ることが目的にされているのでしょうけれど、生物学的な人間(あるいは動物)の「脳」をそのまま真似る必要は無いはずです。

目的の処理を最も効率よく実行できる仕組みであればいいわけで、従来のコンピュータは人間の脳の仕組みとは全く関係ない仕組みになっています。

頭脳を置き換えるだけであれば人間でもいいわけで、だからこそ人間の仕事が奪われるという危機を訴える人もいるわけですが、人工知能の最終的な目的は人間のリプレースはありません。

人間の頭脳よりももっと効率よく、処理速度が速く、消費エネルギーも少ないシステムが存在するのであれば、それが人工知能の行くべきゴールでしょう。

この世の中で最も効率よく多くの処理が出来るのが人間の脳であるというのは分かります。そして今のコンピュータや将来作られそうな人工知能が処理すべき命令も、人間の脳が処理しやすいものであるのは、コンピュータがアウトプットするものが人間の為のものであり、人間が理解出来るものでないとそのコンピュータやプログラムを評価出来ないからです。

しかし、インプットとアウトプットで人間が絡まないような、人間が関係しないようなデータを処理するのであれば、人工知能は人間の脳を模す必要はないはずです。

ロボットの世界では、人間以外の形をしているものもいくらでも存在します。動物や虫の形にしているものや、あるいは完全にオリジナルな、生物の外見をコピーしていないものもあります。

ロボットのカメラの画像処理だって一方向だけである必要はなく、全方向のカメラで画像を処理できます。自動運転自動車なんかはそうしてますよね。

ただ、現存する生物のコピーや、人間が乗る自動車の延長線上でしかロボットも存在していないのであれば、やはりこれも「人間の為に作られたもの」であり、「人間が理解して評価出来るもの」であることには変わりありません。

人工知能もロボットも作っている側が人間であり、その評価を行うのも人間ですから結局人間の枠から逃れられませんが、人間の為ではないアウトプットを作り出せるような、言い方を変えると「人間の為」という枷を外してしまえば、とてつもない仕事をしてしまうのではないでしょうか。

望遠接眼赤外線などカメラが64個付いていて、手(もしくは足)が128個付いているロボットを、AIが処理して動かすとしたらどのようなロボットあるいは疑似生物になるでしょうか。

そもそも、生物としてどのように動くかということすら考えるべきではないかも知れません。コンピュータ自体が無機物なのですから。

そうなった時こそ、地球がAIロボットの楽園になるでしょう。そんな時代が来るかどうかも、人間には想像できないのかも知れませんが。

そこまで行くといよいよ、人間の仕事が残っていない状況になるでしょうけれど、少なくとも、実行者に命の危険が存在する仕事は残るでしょう。ロボット三原則を遵守すれば、ロボットが壊れる可能性がある仕事を拒否するでしょうから。

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