人類に残る最後の知的仕事

驚異的に進化し続けるAIによって、多くの仕事が人間から奪われる、という未来は多くの人が肯定していて、多分そうなるんだろうなとは思いますが、すぐにそうなるかはまた別問題でしょう。

以前noteに書きましたが、AIによるアウトプットに責任を持つのはAIやその提供組織ではありません。アウトプットを利用する人自身です。この点で法的あるいは経済的な社会変革が起きない限りは、AIが「職業としての専門家」の地位を奪うことはないでしょう。

ただ、いずれは奪うことは確かでしょうし、そうなったときには人間がする仕事が知的産業以外のものになります。

そもそも、これまでの専門家、専門職というのは歴史的に見て、時代が下るにつれて細分化してきました。古代ギリシャ時代の学者は文学も歴史も数学も天文学も扱っていました。どんどん研究が進むにつれて、学者・研究者は各分野に限られた専門を扱うようになっていきました。今ではどの学問分野でも学者・研究者の扱う分野は非常に狭い領域になっています。

学問ほどではないにせよ、専門職は限定された専門分野に特化することで自らの地位を確立し、生き延びていくものです。社会が複雑化していることと同期しているのです。

今後のAIもこの分野はこのAI、あの分野はあのAIという風に専門分野ごとに特化したAIが雨後の竹の子の如くに乱立していくと思います。

むしろ、専門化・細分化の究極の形態がAIなのでしょう。そう考えると、人類に残される最後の知的仕事は綜合することなのかも知れません。

もちろん、綜合に特化したAIだって出来るのでしょうけれど、情報を引っ張ってくる・入力することで得られるアウトプットと、綜合した結果のアウトプットはまた違う気がするんですよね。上手く言えないですが。

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