ウクライナとインドネシア~デヴィ夫人の支援に思う~

デヴィ夫人がウクライナに突然現れて支援物資を配っていたニュースが報じられていました。政府・外務省的にはあまり派手にやらんといてくれよと思っているかも知れません。実際、危険なことには間違いありませんから賛否両論です。

それでもご本人の言うとおり、戦争もクーデターも革命も経験している(しかもクーデターは自分の夫相手のもの)のですから、本当に怖い物など無いのでしょうし、目的があっての行動ですから、蛮勇ではなく勇気と呼ぶべきでしょう。

デヴィ夫人がかつて暮らしていたインドネシアという国家は、その国そのものが古くから存在していたわけではありません。オランダの植民地→日本の占領→オランダの再占領→独立戦争という複雑な経緯を経た上で、さらにかつてはいくつもの王国が存在していた地域をまとめた国家として独立に至りました。

そういう見方からしたら、インドネシアという国は第二次世界大戦後に人工的に国境を設けられた国とも言えます。そしてこれは、まさにプーチン・ロシアがウクライナを新略する理由の一つだった、「欧米によってでっち上げられた国家・文化」という理屈とオーバーラップします。

オランダ・日本の植民地支配を脱して独立したインドネシアと、ソ連崩壊後に独立を果たしたウクライナは、どちらもその領土を一つのまとまりとなったのは、20世紀になってからでした。そういう点では両者には共通点があります。

デヴィ夫人の支援がそういうことに関係していると思うのは勘ぐりが過ぎるかも知れませんが、侵略された国が独立を維持するには国際社会による支援は不可欠です。

その一方で、森喜朗・鈴木宗男といったロシア寄り発言をする政治家が批判されています。そりゃあ、これまで数十年もロシア利権に関わってきた政治家は、そりゃあロシアが崩壊してもらったら困るでしょうから、そういう発言もするでしょう。完全にフラットな立場ではないのですから、ある意味理解は出来ます。擁護はしませんが。

むしろ、ロシアに関して利権も何もない人が、ロシアの侵略戦争を擁護する方が恐ろしいですよね。純粋に、国家間の問題を戦争によって解決する、そして戦争による領土拡張を認める主張なのですから。

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