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序列にこだわる日本人

日本人はランキング好きだと言われます。本当に他の国の人々と比べて日本人が飛び抜けて好きなのか全く知りませんが、メディアでもネットでもランキングはどこでも見かけますので、少なくとも嫌いではないのは確かでしょう。美味しいコンビニスイーツのランキングも星座占いのランキングも、いくらでも見つけられます。大相撲の番付表だってそれまでの実績に応じたランキング一覧表です。

ランキングと言うよりは、序列と言う方が正確かも知れません。序列好きだと言うと印象が変わってきますが、一時期Twitterなどで話題になった、稟議書のハンコの角度が役職ごとに変わるというのも一種の序列の可視化でしょう。あれが本当の話なのかどうか知りませんが。

序列を付けるのは、その組織や限られた範囲の社会においての安定性を図るためですが、それが行き過ぎれば息が詰まります。

上座下座の考え方は今の日本社会でも生きています。会議室やら宴席やらはサラリーマンにとっては注意せざるを得ませんし、自動車の乗る場所やエレベーターにすら上座下座は存在します。もちろん、完璧に求めることや求められることも今ではだいぶ無くなったと思いますが、それでも上座下座に無頓着でいられる立場の人は限られているでしょう。

大昔の日本でも席次は重要でした。単なる個人レベルの話ではなく、唐の朝廷での儀式で遣唐副使が新羅の使者と席次を争って引かず、揉め事になったという歴史的事件もありました。

戦国時代では各地の大名が自分の領地に適用させる法として分国法を制定しましたが、その中で家臣達に対して
「あまり席次にこだわって喧嘩するようなことをするな」
と言っている例もあります。

席次、ランキング、序列と言い方は色々ありますが、順番付けを上からの抑圧と捉えて日本社会の後進性のみクローズアップするのは偏見でしょう。冒頭にもあるように、気楽に用いれば娯楽として盛り上がる手段になります。

それが行き過ぎれば、某県知事のように都道府県魅力ランキングに噛みつく人も出てきます。ランキングの上を見るか下を見るかで大違いですが、真面目に捉えて批判するか、これをキッカケに「日本一魅力のない県」としてアピールするか、個人のパーソナリティで差が出てきます。かつての芸人出身だった某宮崎県知事は多分、もっとやりようがあるだろうと思っていそうですね。

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