パソコンを持ち歩かなくてもいい時代が来つつある

先日、MicrosoftがWindowsのクラウドサービスを正式リリースしました。

Windows Virtual Desktop
Azure で提供される、最適な仮想デスクトップのエクスペリエンス
https://azure.microsoft.com/ja-jp/services/virtual-desktop/

当然ながらMicrosoftのクラウドコンピューティングサービスである、Azure上で提供しているものですが、Azure上で仮想化されたWindowsを使用できるサービスです。

あくまで法人向けサービスであり、個人が利用するようなものではありませんが、昔から合ったシンクライアントがより本格的に大企業で利用される契機になるかも知れません。

これまでのシンクライアントはオンプレミスのサーバ上で動いているWindowsにアクセスして処理はサーバ上、画面表示はクライアント側で見せて利用する者でした。しかしこのWindows Virtual Desktopによって、いつでもどこでもネット回線さえつながっていれば、仮想Windowsに接続して使えるようになります。

Windows Virtual Desktopから考えるPC利用スタイルの変化 - 阿久津良和のWindows Weekly Report
https://news.mynavi.jp/article/20190325-windows10report/

ということで、クライアント側のパソコンはぶっちゃけ何でも良くなります。高速通信環境が使えて、画面表示で遅延しないレベルのマシンであればOSを問いません。このWindowsのクラウドサービスの出現によって、MacBookやChromeBookをWindows端末に出来るようになるという記事がありました。

「Windows Virtual Desktop」登場で「Mac」「Chromebook」が爆売れする?
https://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/1910/15/news07.html
仮想デスクトップをサービスとして提供するDaaS(Desktop as a Service)と、ノート型デバイス「Chromebook」や「MacBook」、さらにはタブレット「iPad」は、ぴったりの組み合わせだ。

安いChromeBookや端末管理しやすいMacBookを使い、Windowsが必要な人・場面のみWindowsのクラウドサービスに接続して利用する、という使い方をする企業も当然出てくるでしょう。それであればWindowsのライセンス数も抑えることが出来ます。

シンクライアントという考え方は、全ての処理を手元にある端末で行う必要がなくて、手元の端末では苦手な処理はネット越しのハイスペックマシンで行い、結果表示だけを手元の端末で管理出来ればいいというものですが、これがネット越しの「クラウド上のサーバ」に替わるわけです。

動画や音楽、高解像度の写真編集などでは大容量のデータを扱いますので、ネット越しの処理がまだまだ現実的ではないかも知れませんが、5G時代が来ればデータ送受信のスピードは飛躍的に上がります。5G通信によっていつでもどこでも手持ちのシンクライアント端末からAzure上の仮想Windowsマシンにアクセスして作業をして、作業が終われば接続を切り、端末もスリープさせる、というのがビジネスマンの外でのPC利用のスタンダードになる時代が来るかも知れません。

さらに進めば個人利用もあるかも知れません。手元にあるデジカメから抜き出したmicroSDカードをiPhoneに接続し、iPhoneから5G経由でクラウドにアップロードして、それをリモート接続した自宅のMacでダウンロードして編集し、再びクラウドにアップロードして手元のiPadでダウンロード(あるいはクラウドのまま)して編集後のデータを確認する、ということも大して手間を取らずに出来るようになります。

今はまだ個人で利用するサービスではないですし、5Gの本格運用もまだまだ先の話ですが、リモート接続先のPCで重い処理をする、というのは今でも個人ベースで問題なく利用可能です。

ノートパソコンやタブレットなどで外出先から自宅のマシンに接続して、手元の端末では出来ないことや難しい作業をネット越しに自宅マシンで行い、それはリモート接続している端末で画面表示しつつ操作する、というのはそれなりの通信速度があれば可能です。

先日、こんなnoteでモバイル端末をiPadにしてしまう、ということを書きました。

これはファンレスのMacBookがなくなるということで書いたものですが、モバイル端末という考え方では結果的に近くなります。モバイル端末よりもハイスペックなマシンが自宅にあるのであれば、外出先からは自宅にアクセスして使えばいいのです。

iPadから自宅のMacにリモートで接続してしまえば、MacBookなどのノートパソコンを持ち歩く必要は無くなる。

パソコンでないと出来ないことやパソコンの方が向いていることはまだまだ多いですが、パソコンを持ち歩いて手元に置いておく必要性はないということです。

自宅マシンと比べると画面サイズが小さくなる可能性が高いですが、SF映画みたいな三次元のホログラムのようなスクリーンが実現すればサイズの問題は解決しますかね。

そんな夢みたいな話でなくても、自宅のメインPCでしか処理出来ないことというのはそんなに無い気がします。データ管理も今後はますますクラウドストレージよりになるでしょうし、ソフトウェアもブラウザやモバイルアプリ上でパソコンソフトと同様の事が行えるものも増えてきました。モバイル端末のスペックの進化は言わずもがなです。個人ユースでパソコンがないとダメ、という用途も減っていくでしょうから、モバイル端末がいつでもどこでもメイン端末になる日はそう遠くないのではないでしょうか。

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