アルゼンチン経済の将来を賭けた大統領選挙

昨日のU22日本代表対アルゼンチン代表の試合は、日本が5-2で勝利するという予期もしない展開で終わりましたが、その数日前のインドで開催中のU17ワールドカップでは日本はアルゼンチンに1-3で敗れていました。

いわば江戸の弟の敵を長崎の兄が取ったみたいな話になりましたが、公式戦とテストマッチではまた重要度が違うので、まだまだ借りを返したことにはならないですね。

ちなみにフル代表のアルゼンチン代表の方は、優勝したカタールワールドカップ後の初敗北を、ワールドカップ南米予選のウルグアイ戦で喫したところでした。いつかはどこかで記録が途切れるのですからしょうがないのでしょうけれど、本番中の本番であるワールドカップ予選で負けたのは衝撃でもありました。相手がビエルサ監督率いるウルグアイというのも皮肉です。

さて、サッカーでは世界的影響力の強いアルゼンチンは、本国での大統領選挙が大詰め中の大詰めです。10月の決選投票で勝ち残った2人、現職の経済相のマッサ氏と、リバタリアン経済学者で下院議員のミレイ氏の対決です。

マッサ氏が勝てば今の大統領のフェルナンデスの後を継ぐ形になりますが、そもそもの今の経済的混乱の元凶と言われかねない立場です。この点は不利でしょう。また、勝ったとして現在の経済政策が継続されるでしょうから、急激にアルゼンチン経済が回復するのも難しいはずです。

一方のミレイ氏は過激な自由経済主義者でもあります。中央銀行の廃止及び経済のドル移行という政策はあまりにインパクトが強すぎます。

2021年に、中米エルサルバドルがビットコインを法定通貨としましたが、正直なところ、成功しても失敗してもエルサルバドルの経済規模では同国内はともかく、世界的な経済への影響は大してありません。国内の混乱は大変でしょうけれど。

しかし、南米2位のGDPを誇る地域的経済大国であるアルゼンチンが中央銀行を廃止してドル化するとか、とてつもない経済実験にもなってしまいます。

この歴史的な政策が実行されるかどうか、ミレイ氏が勝ったとしても懐疑的になってしまいますが、果たしてどうなるでしょうか?

マッサ氏が勝てばジリ貧、ミレイ氏が勝てばドカ貧な未来が待っているような気がしてなりません。

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