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国際イベントにおける経済効果と国家の威信

オリンピックにしろ万博にしろサミットにしろG20などにしろ、国際的なイベントを日本で開催するときに、経済効果を云々して開催を正当化するのはどうなんでしょうか。

巨額の経費がかかっているけど、それで経済的な効果があるので許すべき、いやむしろ積極的になるべき、というくらいのスタンスで主張する人がいますが、そもそも本当にお金のためというのであれば、その巨額の経費をそのまま貿易に回して運用した方が直接的な貿易黒字につながるのではないでしょうか。あるいは、国内でお金が回る、ということであれば、その費用をそのまま直接貧しい人達に配った方が、よりお金が回るのではないでしょうか。

昨今では、国際イベントの開催に関して国家の威信をかけて巨額の経費を使う、ということが政治的に許されないと思います。そのためか、イベントを開催することで発生する経済効果を持ちだして説得力を出しているような気がします。

国際イベントを開催する場合、確かにお金がかかります。そしてそのお金は回り回って一般人にも回ってきますが、そもそもイベントを行うことでのマイナスの影響を加味していないはずです。

イベント開催中、交通規制があったりホテルが取れなくなったりするのはよくありますし、国立競技場のような巨大な建築物を作る場合、資材や労働力や燃料費の高騰を招くこともあります。

イベント開催で必ずしもプラスの経済効果だけが出てくるわけではありません。この点も突っ込んで欲しいですが、イベント反対派の主張としては「お金をかけすぎ」ということばかりのような気もします。イベント賛成派の主張が「お金をかけることで経済効果を生む」ということですから、反対になっていないですよね。反対するなら「経済効果はそれほどでは無い」というのが必要だと思います。

そしてそもそも、経済効果というのは国際イベントの開催に必要なものなんでしょうか? 最近ではパプアニューギニアでAPECが開かれましたが、豪華客船をホテル替わりにして、中国からの借金で道路を整備したりして結構大変だったように思えます。経済的に国際イベントの開催がプラスになるかどうかというとどこの国でも微妙なところか、むしろマイナスといったところではないでしょうか。

毎年決まった国でずっと開かれるものではないのであれば、コストを諸国で負担するために持ち回りで開催するのだ、と考えた方が良いのではないでしょうか。それこそ国際貢献の一つであると思いますし、国際的義務を果たすことを経済効果で説明するのは難しいと思います。

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