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M1 Mac mini 個人的レビュー続き

新しいAppleSiliconのM1チップを搭載したMac miniを購入して半月ほど経ちましたが、日常的な使用での問題はほぼ起きていません。

これまでのところの問題点は、
スリープに移行すると、Thunderbolt3(USB-C)-DisplayPort変換でつないでいる4Kモニタが省電力になってオフになったと思ったら瞬間的にオンになってすぐにオフになる繰り返しが起きることくらいでしょうか。

これについては、モニタ側の自動省電力移行は諦めて、モニタの電源スイッチ自体を切っています。それでも、スリープからの復帰時にモニタの電源スイッチを入れた後、Macの復帰に時間がかかります。

Thunderboltからのモニタ出力には問題があるという報告があちこちで見かけますので、この点は私の環境の問題と言うよりは、Mac miniあるいはM1チップ自体の問題なんでしょう。先日のBigSurのアップデートに期待しましたが、アップデート後もこの不具合は直っていませんでした。

あとは本当に個人的な環境では使うソフトもハードも問題ありません。Appleの新製品には気をつけるのが常識だったと思っていましたが、今回は逆に良い意味で裏切られました。Rosetta2でのアプリ起動も問題無いソフトがほとんどです。

とりあえず個人的にざっくりしたレポートとしますと、
・brotherのプリンタ DCP-390CN
かなり古いプリンタですが、試しにIntelMac用のドライバを入れてみたらすんなり動きました。ちなみにLAN接続です。

・StationTV Link
nasneをネットワーク経由で見るソフトですが動きませんでした。まあ、そもそもIntelMacでもあまり使い勝手が良くなかったので別にいいのですが。

・宛名職人
BigSur対応の最新バージョンなら普通に使えます。

・AdGuard
広告ブロックもSafariでもGoogleChromeでも動作します。ただ、Intel版のためかオンにしているとブラウザでリンクが開くのに時間がかかることがままあります。Universalアプリになったら速くなるかも知れませんが、現状はオフにして広告を読み込んだ方が結果的に速いという状況のようです。

あまり特殊なドライバを使わなさそうな、外付けSSD、HDD、USBマイク、BTヘッドホン、BTイヤホンなどは当然使えます。

メモリ8GBでの動作に不安はありましたが、スワップ使用領域は1GBから4GBの間にほぼ収まりました。ほとんどの時間帯は2GB〜3GBになっています。

GoogleChromeで10数個タブを開きつつ、Excel、Word、PowerPoint、Slack、CotEditor、TweetDeckなどの使用してこれですので、かなり負荷をかけない限りは事務的な使い方なら問題ありません。多分今後も大丈夫でしょう。

さらに、Universalアプリが揃ってくれば、メモリの使い方がさらに上手になるはずです。

懸念としては、今後の新しいmacOSで、使用メモリが増えてきた場合ですが、その場合でもさっさと諦めて買い直しでいいかなと思えるくらい、今は軽快に動作しています。

動画編集を全くしない人でも、ほぼ無音デスクトップパソコンが欲しい人の選択肢に入ってくるのではないでしょうか。


このM1 Macの特徴の一つである、iOSアプリの動作にも驚かされます。特に前述のStationTVが使えなかったnasneですが、iOS用のtorne mobileで普通に録画もリアルタイムもテレビを見ることが出来ます。

WindowsとMacの大きな違いとしては、まず第一にアプリケーションの数に差があることです。Windowsはそれこそ、Windows95時代のソフトウェアでも最新のWindows10で動くものがあります。過去のソフトウェアを含めると、WindowsとMacでは比べる意味が無いくらいの数の差があります。

しかし、このAppleSiliconのMacの登場により、iOS用アプリもMacで動作するアプリになります。もちろん、全てが動くわけではなく一部に限られますが、「今時のアプリケーション」というくくりであれば、Windows10 対 macOS&iOSという戦いは結構な勝負になるのではないでしょうか。

ちなみにWindows On Armは状況が逆で、過去の資産を動かすためのx86エミュレーションが無いと誰も使わないでしょう。WindowsはAndroidスマホとの連携を進めてきましたが、そもそもどちらも連携しなくても使えるので、アプリ動作の共有までは行かないでしょうね。そもそもがっつりしたエミュレータがないとダメですし。エミュレータはありますが、Windowsデフォルトの機能というわけでもないので、動作は誰にも保証されていませんし。もちろんWindows自体のソフトウェア資産はMac+iOS以上にありますが。

第一、Androidアプリを取り込んでいるのはChromeOSです。ChromebookであればほぼAndroidアプリをそのまま動かせるが、こちらはWindowsと違ってMacとは市場で競合しません。

PC市場は
ローエンドPC・・・Chromebook、Windows
ミドルクラスPC・・・Mac、Windows
ハイエンドPC・・・Mac、Windows
こんな風に成り立っていますので、MacはChromebookと直接的なライバルにはなり得ません。そもそも価格帯が異なり、出来ること出来ないことの棲み分けがはっきりしています。Windowsは当然ながらどこのランクでも競合がいますが、だからこそ大量の利用者とソフトウェアが存在するので痛し痒しですね。

ここ数年、Macには停滞感が漂っていました。MacBookのキーボード問題やデザインが全く変わらないiMacの問題がある一方で、Macでの利用者が多かったアプリケーションでもWindowsでの提供が一般的になったこと、そもそも大半のサービスがブラウザ経由のクラウド利用が一般的になったことなどもあって、Macに見切りを付けてWindowsマシンを使う人もチラホラ見かけられました。なんせWindowsはピンキリで、自作やカスタマイズも自由なので求める性能を求めやすい値段で手に入れられますから、Macが使いづらくなれば当然です。

しかし、今回のM1 Macはその劣勢を跳ね返すポテンシャルは十分にあります。現時点ではローエンドのMac mini、MacBookAir、MacBookProだけですが、ハイエンド向けのAppleSiliconが登場したら、性能ではWindowsマシンだと厳しくなるくらいの差が付くかも知れませんね。

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