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恐れ多くも通らせていただきます。

ドライブが好きだ。
気持ちのいい音楽を聴きながらのんびり外を見て、普段行かないところに行く。遠出が好きなんだよなあ。
まあ、助手席しか乗ったことないが。

というのも運転免許を持っていないからだ。
家が比較的都心に近く、公共交通機関で十分生活できるというのと
なんとなく面倒くさかったから。

珍しいものを見つけたら、とっさにスマホを取り出し写真が撮れる。
目に見えるすべてが興味の対象で発見だらけだという私に友達から
「まだ友達でいたいから免許取らないでほしい」と言われたことがある。
助手席楽だよな~。

しかし、やっぱり不便だ。
遠出が好きなのに、自分の力だけ(電車)での遠出は面倒くさい。

とうことで今月から自動車学校に通い始めた。
不便という理由の他に、羨ましいと思ったからだ。

彼氏と音楽の趣味がばっちり合うのでドライブは超快適なのだが
いつでも好きな音楽を車という個室で流しながら、好きなところに行けるのいいなと思った。

私が車について知っていることは3つ
・歩行者の飛び出しでも、ぶつかれば車側が悪い
・スマホは触ってはいけない
・スピードは出しすぎてはいけない
その程度の認識で23年間助手席と運転席の後ろに座り続けてきた。

入校式の日に適正検査を受けたら、集中力や判断力はAだったのに
運転マナーの素質が3段階評価の最低ランクだった。
私でこれなら、こち亀の本田君はよく免許取れたよなと感心してしまう。

学科から受講しているのだが、私は完全に車への認識が違っていたのだと思い知らされた。

どうやら青信号は「進め」ではないらしい。
歩行者に対しては「進めますよ」。
車両に対しては「進んでもいいですよ」。
つまり車両は許されて通るのだ。

スタンスとしては
事故を起こさないよう気を付けて運転する!のではなく
わたくしめのような鉄の塊が恐れ多くも通らせていただきます。

パワーという力関係では車の方が有利だからこそ
生身で、自分の足で移動する歩行者には最大の配慮をして通行しろということか。

「へえ!もちろん歩行者の皆様には、ご心配もご迷惑もかけないよう運転いたしますので、この運転免許証に免じてここを通らせていただけないでしょうか。」

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