見出し画像

【海外HR事情】米テック業界、好業績なのに人減らしの嵐、その背景とは?

2023年に26万人が解雇された米国のハイテク業界では、2024年に入っても年初来だけで実に202社で5万人が解雇されている【https://layoffs.fyi/】。テック業界だけで毎日1200人が解雇されているという計算もある。ドットコムバブル崩壊時以来のレイオフの嵐が吹き荒れていることになる。

しかし、テック企業の株価も業績も好調そのものだ。いわゆる「マグニフィセント・セブン」とよばれる大手テック企業株式の時価総額はいまや3兆ドルを突破している。22%の社員を削減したMetaの場合、売上は前年比で25%上昇、純利益は前年比で倍増しているのだ。

ワシントン大学のシュルマン教授は「典型的なハーディング効果(同調行動、横並び)」だと説明する。「レイオフをすると株価が上がるから、レイオフを止める理由がないのです。誰もがやっていることだから問題視されない。問題視されないから、これがニューノーマルになっていく。社員も慣らされ始めていますし、投資家も歓迎しています」「去年、大手テック企業はパニック的に大量解雇を行いましたが、市場がこれを好感した。いまは嵐が吹き荒れているわけでもないのに、解雇し続けている」

2月に入って、社員の約1割に当たる500名を解雇したSnapchatは、リストラの理由を「対面でのコラボレーションを強化していきたいから」と発表している。会社のRTO(リターン・トゥ・オフィス)方針に対応しなかった社員が解雇対象になっているのではないかとの見方はこれまでもあったが、こうした理由があからさまに発表されることは珍しい。

サンディエゴ大学のサリナス教授は「コラボレーションは、心理的安全性が保たれている企業文化の中でこそ発揮されるもの。500人が解雇された後に残された人たちは、そうした心理にはならないでしょう」と語っている。

スタンフォード大学のジェフリー・ファイファー教授はこの減少を「猿真似解雇」だと揶揄する。「社会的な伝染病だ。みんなが模倣しあっている」。ファイファーは、他社と同じように解雇をすることで、悪目立ちすることを避けたり、経営者が事業判断の失敗を誤魔化したりしようとしていると厳しく批判している。

(出所)
Bobby Allyn, Nearly 25,000 tech workers were laid off in the first weeks of 2024. Why is that?

Mikaela Cohen, Snap announces layoffs to promote ‘in-person collaboration’

Alicia Roach, Let's Talk About Lay-Offs


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?