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日本オリジナルの半導体で世界に!1兆ドル半導体市場のニューカマー【ArchiTek株式会社】

最終更新日:2024/4/5

当noteでは、各企業のビジネスモデルを分析しています。
また、取締役会のスキルマトリクスを分析し、コーポレートガバナンスコードに沿った経営の実践度を確認しています。
セレクションアンドバリエーションでは、さらなる事業価値増大に向け、特に中堅規模の上場企業におけるスキルマトリクスのあるべき姿を提言し、現経営層のさらなる活躍、そして次世代経営層育成に向けたボードサクセッションの仕組みの導入を支援しています。


資金調達額の推移

⇒累計調達額10億940万円

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企業概要

大手電機メーカー出身者が設立したスタートアップ企業。
独自に培った技術力でAIと画像処理をコンパクトかつ低消費電力で行う「エッジAIプロセッサ」を開発し、サンプルリリース間近である。
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合機構(NEDO)の委託事業にて、DXやIoTによる需要が拡大するデータ処理において進化型・低消費電力を実現した画期的な新技術を開発している。日本オリジナルの半導体で世界に進出を図る

設立日 :2011年9月29日
資本金 :1億円(2020年5月18日現在)
本社拠点:〒550-0014 大阪府大阪市西区北堀江1丁目1番29号(四つ橋MT長谷ビル2階)

事業概要

モノづくり哲学「シンプルでエレガントな構造は、性能も美しい」を重視しながら半導体の回路設計を行っている。
同社が開発を行うアーキテクチャ”aIPE”(ArchiTek Intelligence® Pixel Engine)は小型かつ電力性能に優れており、各機器内部で処理を完結させる「エッジコンピューティング」に適している。
※「ArchiTek Intelligence」はArchiTek株式会社の登録商標

ビジネスモデルの図解

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事業における強み

独自開発のAiOnIc®が市場における最大の成果、競合優位の製品である。
ーAiOnIcの強みー
①高い柔軟性で様々な用途に対応。
②小さいのに高性能。そして省電力。
③複数のアルゴリズムを同時に並列実行できる。

ArchiTekホームページより)

想定用途・市場規模

➤ 画像処理とAI処理が必要な機器
➤ 低消費電力を必要とするエッジ側の機器
➤ 高度な処理かつソフトウェアによる機能更新が必要な機器

【市場規模の推定】
2021年には4,500億ドルまで拡大、そして2050年には8622億~1兆123億ドルまで拡大すると見込まれている。
【出典】https://www.semi.org/jp/news-resources/press/20201210-2

半導体市場拡大の背景の要員は以下2つだと考えられる。
消費者市場の拡大
消費者市場の拡大の背景に、新興国での市場の増加が影響される。新興国の人口増加に加えて、新興国内での貧困層の減少と中間層の拡大が見込まれており、消費者人口と一人当たりの消費量、両面での増加が見込まれる。
②技術発展に伴う多様な半導体へのニーズの高まり
半導体のニーズの多様化が見られ、通常チップや半導体は業界ごとに専用のものが開発されてゆくが、ArchiTekの開発しているチップはさまざまな業界のニーズに転用できる技術を持っており、幅広い需要をカバーすることが期待されている。

【市場全体のトレンド】
ICTやIoTの浸透により半導体の需要は急拡大している。
コロナショックによる自動車業界をはじめとした世界経済悪化の煽りをうけて半導体市場は一時低迷したものの、在宅勤務やオンライン授業の拡がりをうけてPC、データセンター関連機器を中心とした需要が伸びている
そして、それらのデータの管理は、中央集権型のクラウド集約が主流であるが、コストと柔軟性の低さが課題となっていた。そこで、機器の内部、またはごく近くでデータを処理することを指す、エッジ(端)、エッジコンピューティングがこれからのクラウドの代替になると言われている。

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自社ホームページより

【ベンチマークとなる企業】
・競合他社
 TRIPLE-1
 ザインエレクトロニクス
・パートナー企業
 Google Developers Lauchpad
 J-startup
 トヨタ自動織機
 Socionext

マネタイズに関して

【事業全体の収益性】
事業内容 BtoB
オリジナル商品販売(AiOnIc® Gifter™)
独自チップの開発・販売事業

【キャッシュポイントの額と頻度】
未販売であるため価格未定であるが、低価格での販売を目指す。

【固定費】
人件費、販管費、研究開発費など

【変動費】
原材料費など

経営層

代表取締兼CTO:高田 周一 

1989年 松下電器産業株式会社(現・パナソニック株式会社)入社、情報システム研究所のR&D部門にてコンピュータアーキテクチャの研究開発に従事
その他、ワークステーション開発、携帯情報機器開発、AV機器開発、ゲーム機開発
     エンジニア3名で起業

専務取締役:古川 洋介

1986年 松下電器産業株式会社(現・パナソニック株式会社)入社、光磁気ディスクコントローラー ゲートアレイ開発、 パソコン用グラフィックコントローラー ゲートアレイ開発
    カラー液晶型ラップトップワークステーション基板開発、 MPEGシステムLSI評価システム開発 ・CATV関連のハードウェア、システム開発

取締役CFO:藤中 達也

1984年 日本興業銀行(現・みずほ銀行)入行(外国為替部、金融商品開発部、総合資金部)
1993年 同行退職後、家業の経営に携わり、「事業の継ぐ・売る・たたむ」を経験
2000年 弁護士&会計士と事業再生業務に携わる傍ら、新興企業やベンチャー企業のIPO支援とIRコンサルに従事

取締役CMO:黒田 剛毅

1989年 松下電器産業株式会社(現パナソニック)入社、情報システム研究所の研究開発部門にて、コンピュータアーキテクチャ、超小型実装技術などの研究開発に従事
     通信携帯端末「ピノキオ」、Let’s noteのゲートアレイ開発
     全社のオープンイノベーションを企画

非常勤取締役 CIO:寅巴里 ハッサン

1989年 松下電器産業株式会社(現パナソニック)入社、情報システム研究所のR&D部門にてコンピュータアーキテクチャの研究開発に従事
    VLSI CPUの論理設計・検証。DAの通信(PHS)システムの開発
     芦屋国際文化住宅都市 建設法旅行50周年記念事業実行委員就任
     RICHLOOKS APPAREL設立(インド・デリーで縫製工場)

社外取締役:藤枝 彰彦

    スパークス・アセット・マネジメント株式会社
    次世代成長投資本部
    次世代成長投資部
    次世代成長投資本部長代理

監査役:黒川 剛史

 2005年 有限責任 あずさ監査法人にて、メーカー、商社、金融機関、学校法人等の会計監査を経験
2014年 黒川公認会計士税理士事務所を開設、事業再生や株価評価、経理決算支援、内部統制構築支援等行う。

スキルマトリクス

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⇛多くのメンバーが技術的スキルを保有していることや、企業経営経験者が存在しており、形式的なスキルマトリクスとしては非常に優れているといえる。しかし、創業メンバーの多くが取締役として兼任していること、多様性が乏しいという懸念も挙げられる。グローバル市場でのプレゼンス力を高めていく場合、取締役の実効性、メンバーの多様性が求められる。

※スキルマトリクス図とは取締役の素養・経験及び取締役会におけるバランスを一覧表にまとめたものである。各社で開示されているガバナンス内容を元に僭越ながら推測させていただいた。要求水準・選定定義に関しては企業により差が生じるため、ここではCGCで求められている水準・選定定義を基に設定した。

VISION

VISION
ヒトの五感を拡張し社会問題を解決する

人事制度設計

・従業員数:14名
・役員人数:7名
・勤務時間:9:30~18:30 (フレックスタイム制)
・休日:完全週休2日制(土・日)、年末年始、夏季休暇、その他会社の指定する休日、有給休暇、慶弔休暇、特別休暇

【採用】
新卒採用:有
中途採用:有
採用媒体:自社ウェブサイト、engage、リクナビNext、Green
採用職種:ソフトウェア開発技術者、システムLSI設計

【等級・配置】
記載なし

【評価制度】
記載なし

【報酬】
・報酬水準:平均年収 450万円~800万円
・月例給構成
 基本給 40万円以上

【その他、福利厚生など】  
健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険
通勤手当支給
服装自由

【教育】
記載なし

インターン生による考察

クラウド化・IoT等の進展は着実に進展している中で、電力・通信には全世界的に負荷がかかっている現状を鑑みると、同社によるエッジコンピューティングを対象とした省電力な回路設計は時代の要請に合致しているため、今後も更なる発展が見込まれる。

※この記事は弊社長期インターン生が分析、編集しました。
※スキルマトリックスの基準が違えばご連絡ください。
調査担当:YUN、DIY

さいごに

スタートアップ・ベンチャー企業に必要な人材マネジメントについてはこちら↓

弊社代表平康によるCGCとスキルマトリクスに関する記事はこちらから↓

【免責事項】
本調査は弊社長期インターン生により作成されています。また、本調査は、現在弊社が入手し得る資料及び情報に基づいて作成したものですが、弊社は、その資料及び情報に関する信憑性、正確さを独自に確認しておりません。本資料において一定の仮定を用いた試算を行っている場合、その試算結果は仮定に基づいた概算であるため、別途詳細な検討が必要です。