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第3章【誰も教えてくれなかった!】ジョブ型導入時の必見ポイント | 人事コンサルタントの知見を発信

最終更新日:2024年5月13日

「最近よく聞くジョブ型って何?」
「具体的にどうやってジョブ型人事制度を導入したらいいの?」
本記事を読めば、ジョブ型人事制度の移行時の必見ポイントと日本企業に適した事例について理解できます。

ジョブ型人事制度に関するお悩みに答えるべく、第1章ではジョブ型人事制度が注目されている理由、第2章では具体的な設計方法をお伝えしました。

第3章では、ジョブ型人事制度に移行するときの必見ポイント4つと、日本企業に適した事例をご紹介します。
本note記事は、2022年7月に開催したセレクションアンドバリエーション主催セミナーにて司会を務めた同社コンサルタントの山田沙樹が、同社代表取締役の平康の講演内容についてまとめたものです。


移行時に知っておくべき4ポイント

従来のメンバーシップ型の人事制度では、とりあえず人材を採用して数年かけて育成することが前提でした。
一方、ジョブ型人事制度では、入社時からそれぞれのポジションに見合った人材を活用します。そのため、ジョブ型への移行時は、入社段階から雇用段階でいろいろな影響が出てしまうのは当然のことなのです。
では、人事制度のフローにおいてそれぞれどのような影響が生じるのか、ここでは4つのポイントに絞ってお伝えします。

①採用
まず、採用では新卒採用と中途採用の区分がなくなります。
ジョブ型では各職責に見合う人材の採用に主眼を置いています。そのため、新卒であれ、中途であれ、「自社が求める職務内容を遂行できるスキルを持った人材に合致するかどうか」が採用の基準となります。

②昇格
昇格でも、採用と同様の考え方を適用します。
「年次が高いから」「家族がたくさんいるから」と個人プロフィールをベースとした昇格はしません。
求めるスキルを備えている人材を昇格させることがポイントです。
昇格すべき人材が社内にいない場合には、そのポジションを充当するために外部採用を検討する必要があります。

③賞与
多くの会社で、夏冬賞与が一般的だと思いますが、実は欧米諸国のジョブ型制度では夏冬賞与を前提としない場合があります。
夏冬賞与の仕組みは日本独自のものなのです。従来のメンバーシップ型は、基本給で差をつけず賞与で業績に応じた差をつけていました。
一方、ジョブ型ではそもそも基本給がジョブサイズに紐づいています。職責が大きいほど高い給料を得られるしくみになっているため、賞与なしの年棒制が基本です。

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 ④異動
ジョブ型人事制度では、会社都合による異動は原則ありません。
異動が生じる場合はジョブポスティングなどの制度を活用すると良いでしょう。ジョブポスティングとは、社内で人材を募集したいポジションを全社員に公開し、社員自らの意思で応募を募る制度です。

日本企業に適したジョブ型人事制度導入のススメ

ここまで、ジョブ型人事制度への移行時に生じるポイントを紹介してきました。
ジョブ型のメリットは多いけれど、デメリットも存在するように感じられたかと思います。
下図にまとめたように、ジョブ型は社員が生み出す成果を期待しやすい一方で、日本企業にて運用するには難しさも多いのが事実です。

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そこで、日本企業にジョブ型人事制度を導入するための対応事例3選をご紹介いたします。

①役割型の導入
1990年代後半からソニーやNECを中心に拡大した事例です。
役割型の人事制度を織り交ぜることで、属人的要素を加味することができます。
職務に加えて、個人の意欲や能力を考慮する方法です。

ジョブ型_役割型

②ハイブリッド型の導入
多くの企業が用いている事例です。
一般職層レベルでは、成長期待に基づく処遇を行います。
その後、管理職層レベルになれば、職務の大きさに紐づく処遇を行います。
職層に応じて能力/行動軸と職務軸を使い分ける方法です。

ジョブ型_ハイブリッド型

③ソフトランディングの実施
いきなり完全なジョブ型人事制度を導入するのではなく、緩やかに運用していく方法です。
等級はジョブ型に移行しますが、報酬のレンジ幅を大きく設計し段階的な移行を目指します。

まとめと感想

ジョブ型人事制度を導入する際は、最初から完璧な制度を作ることにこだわらず、制度導入に伴う影響を考慮して移行することが重要です。
今回は、3章にわたって2022年7月開催の自社セミナーにて平康がお話した内容を紹介してきました!
セレクションアンドバリエーションでは、随時セミナー登壇を行っております。引き続き、当社独自の情報を発信していきますのでご注目ください!

人事制度や人事制度にお悩みの方は、セレクションアンドバリエーションにお気軽にご連絡ください。

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